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萌えぎのエレンのメインブログです

アウトテイク(ハロプロの魂の在り処や愛の形)

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 本日のブログは過去に書いた文章、個人誌原稿アウトラインのなかから「使えない」ものを羅列した。まとまりがないけれど仕方ないデス。

 ハロプロはまずリズム。リズムは骨。萌えは肉に相当する。それはなぜか。ハロプロの歌手、ハロプロメンバーはリズム感を徹底的に鍛えられる。16ビート。
 萌えと音楽というテーマで、アイドル楽曲について考えてみた。ぼくはモーニング娘。デビュー後の楽曲しか興味がないので、その直前に東京パフォーマンスドールが(女性アイドルとして)存在してことしか覚えていない。松田聖子おニャン子クラブの時代を持ち出す気は、最初からなかった。
 ぼくはこれまで、音楽ライターのような文章を書いたことがないし、書ける自信が全くない。ハロプロファンのなかにはプロアマを問わず、優れた書き手が大勢いる。モーニング娘。デビュー当時から存在したファンサイト、いわゆるテキストサイトの書き手は、プロの音楽ライターが多かった。彼らの優れた文章を読み、ぼくには無理だと感じていて現在に至る。彼らは専門家であり、当時の「モーヲタ」と呼ばれた一連のムーブメントの先導者だった。インターネットで検索すれば幾らでも読むことが出来るだろう。そして、あんなふうに上手く書くのは無理なので、ぼくは別の側面から考えてみたい。
 ぼくが書けるのはハロプロの魂の在り処や愛の形。
 いわゆるアイドル、ここでは日本の女性アイドルグループを指すことにする。そのアイドルと萌えとの関連について、考えるまでもなく、アイドルと萌えとの関連は密接だ。アイドルファンはアイドルに萌えている。それ以外に理由がないだろう。そう考えることは、間違いではない。そうではなく、彼女たちを「アーティスト」としてリスペクトする、という見方、ファン心理もあるだろう。個人の見解としては、ぼくはアイドルに萌えを感じることはあっても、それが全てではない。相手が人間であるのだから、彼女たちの生き方を尊重する。ハロプロファンのツイッターを見ていて、日々、そう感じて、共感している。ぼくはハロプロ以外に興味がないので他のアイドルファンがどうなのかは知らないが、大方、外れてはいないと思う。
 ハロプロはポップソングの歌い手や作家から支持されている。彼らは、音楽として魅力的であると唱えている。
 近年、いわゆるアイドル音楽は日本の流行音楽として海外からも支持されている。そのなかでもハロプロは、音楽として高度なことをやっていて、そのなかに萌えのヒントがあったのかもしれない。
 ダサかっこいいくそまじめではない。直球ではない。ちょっとおかしい曲ってのが時々出てくるのがハロプロ
 サウンドそのものに萌えを感じる。それは音楽マニア的な見方、聴き方だ。ぼくが好きだったYMO以降の音楽、坂本龍一小室哲哉サウンドに萌える点。シンセサイザーの電子音であること。その音色のセレクトがまずある。そして転調を効果的に使ったこと。複雑なコード進行やバックトラックの複雑さ。小室哲哉の功績。シンセサイザーの電子音を全面に押し出した音楽をポップソングとして認知させたことだ。

 前にどこかで書いた文章の続き。
 ぼくらは、つんくの言葉がすなわちアップフロントの公式見解だと解釈していたのだが、どうやら違う。初期のハロプロがアイドルを名乗らなかったのは、自分たちにまだその自身がなかったのだと、まことは雑誌のインタビューにてコメントしていた。そう言われてみると納得する点がある。しかし、これは、アップフロントの公式見解なのだろうか?
 それはともかく。
 現在、女性タレントのなかでアイドルとは、まず、芸能プロダクションが「アイドルとして売り出す」者だ。それがファンから「アイドルを超えた存在」と呼ばれても、だ。もちろん、ヒットせずに消えていく者もいる。そして、地下アイドルなどの初めから「アイドル」を自称する女性たち。芸能プロダクションの所属しない場合が多く、テレビやラジオなどの大手メディアへの露出はないが、ウェブでの動画配信など自分たちで出来ることを最大限に活用する。
 本来の意味。大衆から支持されている者が、すなわちアイドルだ。そのような定義は薄れている。
 もはや、テレビに出てこそアイドル、ではない。そうではあるが、女性アイドル百花繚乱のこの現世では、有象無象の「アイドル」がテレビで面白おかしく取り上げられている。
 最近のテレビってアイドルアイドルって騒ぎ過ぎ。そのお陰でモーニング娘。もテレビに出られるようになったけど(一時期は枢軸連中ばかりだった)。ぼくはハロヲタだからモーニング娘。が最強だと思っているけど世間では決してそうではない。だから逆に、テレビの馬鹿騒ぎに便乗するなとも感じている。
 昔、アイドルとは、テレビに出て、大手芸能事務所がアイドルとして売り出す者たちだった。今は違う。モーニング娘。から地下アイドルまで全てアイドルと呼ばれている。かつてはガンダム=富野作品だった。今は誰がガンダムを作ってもいいと永野護は言っていた。それに似ているのかもしれない。
 ぼくが「人気のないタレントをアイドルとは呼ばない」「地下アイドルはアイドルではない」と言いがちなのは、テレビに出てこそアイドルだという古い定義がまだこびり付いているからだ。だけど、ファンのいないアイドルをぼくはアイドルとは呼びたくない。
 AKBが頻繁にテレビに出るようになって以降、CDショップに「アイドル」のコーナーが作られた。そこで気づいたのは、そのアイドル枠にPerfumeは置かれてなかったんだ。店にもよるんだろうけど。
 近年のアイドルアニメ、そのイメージはAKBから作られているんだろうなと感じる。それらのアニメ、例えば衣装デザインが明らかにAKB的なものを模倣している。モーニング娘。のファンとして、それが悔しかった。だからぼくはアイドルアニメを一切見ない。
 ぼくが彼女たちを枢軸と呼ぶ理由。ファイブスター物語デザインズ4にもあったようにバッハトマの制服が圧倒的だということで、だからぼくは48や46やラストなんとかを「枢軸」と呼んでいる。連中を枢軸と呼ぶのは、ぼくのなかでモーニング娘。ミラージュ騎士団だという前提があってこそ。最強だがある意味無視されてる。

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FSS初心者にお勧めは? #fss_jp

 久しぶりにブログを書こうと思ったら上手く書けなかったので、今回は適当デス。ツイッターでアンケートをやってみた。

 それぞれの選択肢について。まず「1巻」から。最初から読むのが当然だろうということで。2の「映画」から。これは当時この劇場アニメからFSSファンになったファンが多かったから。アニメからのほうが入りやすいということはある。3の「13巻」から。これは作者の永野護が当時そのように発言していたから。そして4の「花の詩女」から。13巻発売より前の時点で永野が漫画連載を10年ほど休止して作った劇場アニメ『花の詩女 ゴティックメード』。この映画にて初公開した斬新なデザインのロボット、GTM(ゴティックメード)がそのままFSSのロボットに変更されたのが13巻からだった。この『花の詩女』では永野護が描くロボットの動きやロボットの音はこうなのだということが初めて動画として公表された。そして読者は、漫画のFSSを読むとき、あの音を思い出すようになった。これは重要だ。
 実は過去に全く同じことやってた自分。2017年。 ということで今回は2度目のアンケートと言うことになります。1位は1巻で前回と同じ。これは保守的なものの見方。やはり最初から読むべきだと。ぼくもそう考えていたし、それは当然そうなんだ。けど、星団民*1ツイッターを見てみるとGTM以降のほうが分かりやすいという見解もあった。下の方にツイートをまとめておきました。全てではなく抜粋デス。先に書いておくと、GTM変更前か後かに二分される。

 ごめん、ここまで書いて力尽きたので、以下は箇条書き。

  • 連載では6話が進行中。これまで完結したのは1話から5話まで。そのなかで何話が良かった、おすすめという回答。もちろん、ぼくにとってもあのときのあの話が面白かったというものがあるけど、今はちょっと思い出せない。
  • デザインズやキャラクターズなどの作品集(永野護はデザインズやキャラクターズなどを設定資料集ではなく作品集またはデザイン画集と呼んでいる)をまず読んでもらい、そこでデザインや世界観に興味を示さなければご遠慮くださいという回答。なるほど、確かにそうだ。ただし、漫画を全く知らないでいきなりこれらを読んで、何が書いてあるか分かる者がいるだろうか?
  • 回答とは関係ないけれど、ちょっと書いておく。これらの作品集は連載に先行して数多くのデザイン画や今後のストーリーに関する記述、言い換えれば作者による「ネタバレ」が行われるもので、星団民必携のアイテムだし、ぼくもくまなくチェックしていて楽しみではある。だけど、ぼくが思うのは、正解は連載だ、ということ。作品集は読み物として面白い。けれど、それらに書かれたのは、あくまでもデッサンでしかないと考えている。連載時にデザインズの記述と異なるということは度々あって、それも含めてFSSは面白い。まず年表があって、膨大な先行設定があるにも関わらず、連載を読んでみないと実際には分からない。
  • 作者が言う「13巻から」は最下位だったんだけど、重要なのは映画『花の詩女』を見なければ13巻以降の醍醐味、真意は見えてこないということだろう。そして、ツイートでの回答にもあった通り、13巻以降のFSSはそれ以前よりも明快になっていることは見逃せない。

アウトテイク

 アンケートのきっかけはモーニング娘。OGの飯窪春菜SHOWROOM配信を行っていたからだった。

 ※ニーナは飯窪が扮するバーチャルアイドル

 ジョジョの奇妙な冒険のファンである彼女がお勧めの漫画はありますかと問いかけていて、FSSファンでもあるぼくは、ここでFSSを勧めるかどうか迷った。結局ぼくは黙っていたんだけど、もし彼女に勧めるとしたら、どこから読めばいいのかということを考えてみたいと思ったのだ。

Link

ここで永野護の公式ウェブのリンクを。
これを見て分かるようにFSSとゴティックメードの情報が掲載されている。そして、この2作品は、同じものだ。正確には映画『花の詩女』がFSSであることが公開後に公表された。この件は以下の個人誌に書いたので割愛する。
『花の詩女』公開後に再開した漫画連載にて全てのロボットがGTM(ゴティックメード)に変更されたのには驚いた。これは上記の個人誌にも書いたし以下のブログにも書いた。

参考ツイート(抜粋)

ファイブスター物語 (1) (ニュータイプ100%コミックス) | 永野 護 |本 | 通販 | Amazon

ファイブスター物語 (1) (ニュータイプ100%コミックス)

ファイブスター物語 (1) (ニュータイプ100%コミックス)

Newtype (ニュータイプ) 2014年 09月号 [雑誌] | |本 | 通販 | Amazon

永野護100問100答
「どこから読むのがおすすめですか?」との問いに永野は「単行本13巻からどうぞ」と返答

ファイブスター物語 (13) (100%コミックス) | 永野 護 |本 | 通販 | Amazon

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER | 永野 護 |本 | 通販 | Amazon

作品集デザインズの最新版

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER

追記(3月5日)

 硝酸カリウムさんからブコメを頂きました。ありがとうございます(上記リンク参照)。それを読んで、これは良くないと思ったので、以下に一連の流れを追記しておきます。申し訳ないデス。


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*1:ファイブスター物語ファンは自分たちをそう読んでいる。

新刊『萌えと音楽』初頒布 12/31 #C95

 久しぶりにコミケ参加します。冬コミです。

コミックマーケット95(三日目)
日時:12/31(月) 10:00~16:00
会場:東京ビッグサイト
サークル名:はなごよみ
配置番号:東L04b

 今回の新刊は自分名義の個人誌ではなく、はなごよみ新刊同人誌『萌えと音楽』。主宰の押井徳馬(id:osito)との共著です。

新刊『萌えと音楽』


コピー誌

 同人音楽の女性アーティスト「同人アイドル」について、ライブ現場の模様など、彼女たちを知らない人たちに向けての入門書のような内容。そして、電波ソングについての考察。「萌えと音楽」がテーマの今回の新刊。ぼくは、つんく♂が萌えをどう語ったのかについて書いた。そして、つんく♂が言うロックについても書いた。これまでぼくが個人誌で書いてきた一連のハロプロワークスの最新バージョンです。

既刊

 ここでは、今回の冬コミにて頒布するぼくの既刊のなかからオススメを紹介。頒布する同人誌のラインナップについては上記のはなごよみブログをご覧ください。

NAGANO!【改訂版】

 ファイブスター物語のエッセイ。どうしてぼくが永野護のファンでいられるのかについて書いたもの。ZガンダムTMネットワーク小室哲哉の時代を振り返る。ファイブスター物語モーニング娘。との共通点について初めて具体的に書いた文章も掲載。
 ※改訂版はオレンジの表紙となっています

モニ・セイクレッド ~アイドルまとめサイトの作り方~

 ぼくがファイブスター物語に登場する人類記憶装置「モナーク・セイクレッド」に倣い、ハロプロまとめ「モニ・セイクレッド」を作成し続ける本当の理由。そこには驚くべき真実が?
 TogetterによるまとめTIPSを書くつもりが、とんでもない方向へ行ってしまった。上記『NAGANO!』の実質的な続編。

#ハロプロ超帝國 ~モーニング娘。がGTMである理由~

 ぼくがかえでぃー(モーニング娘。加賀楓)にファイブスター物語を説明する。そのような内容の対話篇。ファンフィクション。超帝國。ミラージュ騎士団モーターヘッドゴティックメードの違い。そして、安倍なつみモーニング娘。は何者と戦っているのか?
 過去にコミティアでのみ頒布した幻の個人誌、ついにコミケ初頒布します。
 ここまでの三冊は全て繋がっていて、そして、今回の新刊『萌えと音楽』に掲載した文章が、その最新版となっております(ファイブスター物語関連の記述は無し)。

頒布既刊一覧

※自作のみ
研究日誌
綾波レイはどこへ消えた?
あまJ
Rose Petals
NAGANO!【改訂版】
モニ・セイクレッド ~アイドルまとめサイトの作り方~

Togetter

冬コミ参加レポまとめ

about

映画『花の詩女』ブルーレイはいつの日か #fss_jp

 2012年に公開された映画『花の詩女 ゴティックメード*1はブルーレイ等のパッケージメディアとしてリリースされない。この映画の監督である永野護は何度も言っている。未見の方に説明しておくが、この『花の詩女』とは永野の漫画『ファイブスター物語』(以下FSS)の劇場アニメ映画だ。永野の初監督作品となる。
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 パッケージメディアとして発売しない理由について永野は、とにかく劇場で見て欲しいからだと繰り返す。上記の記事が初めてではない。幸いにも、過去の映画の再上映を企画するドリパスのお陰で、この映画はこれまでに何度も上映されている。今月にも全国での上映が企画または決定されている。興味のある方は劇場でご覧頂きたい。詳細については以下を参照のこと。

 ドリパスの上映企画は、まず、上映館と日時が発表され、見たい者がチケットを予約。その予約が一定数を超えた時点で上映決定となる。これまでに何度も上映企画が成立しており、もう一度見たいという熱心なファンによって現在でも上映リクエストが行われている。だから決してこの映画は「コケた」訳ではない。にも関わらず、監督の永野は、この傑作をブルーレイとして売り出すつもりが全くないと言う。なお、FSSの最初の劇場アニメに永野は関わっていない。これには複雑な理由があり、ここでは割愛するが、この最初の映画はブルーレイとして発売されている。

 ここまでが前置き。今月発売の月刊ニュータイプに掲載されたFSSの1ページ目、扉には、今回のドリパス上映企画に関連して、『花の詩女』の音響や効果音についてのこだわりエピソードが書かれていた。ネタバレになるので詳しくは書かないが、ハリウッドレベルの緻密な仕事だったと永野は振り返っている。実際に劇場でこの映画を見たぼくは、なるほど、あの怒涛の音響はこうして出来上がったのだと驚いた。そして、以前からぼくが考えていた、ブルーレイとして出さないのなら、せめてドラマCD(まだビデオデッキが普及していない大昔にはアニメ作品の音声のみのレコードが発売されていた)で出して欲しいという願いも、叶うことはないのだろうと悟った。あの音は優れた劇場であってこそなのだろうと。
 そう言えば昔は効果音のレコードというものがあったと思うけど、今でもあるのだろうか? 『花の詩女』の効果音のみ収録したCDでもいいからリリースして欲しいとも思ったのだけれど。

あくまでも個人の感想ですが

 本音を言えば、『花の詩女』ブルーレイは是非とも出して欲しい。ぼくの考えだと、出さないのはリテイクしないと駄目だと永野が考えているからだと思っている。そのためにはスタッフを再結集しないといけないのだが、簡単には出来ない。当然、FSSの連載も止まるだろう。だから、それは次回作のFSS劇場アニメ映画制作まで待っているのだろうと。なお次回作は3159(年表に書かれている星団暦3159年のエピソード)だと思う。これはインタビュー等で永野がそれとなく発言していたからだけど、実際に映画を作るという話は、まだない。作りたいという願望はあるとのこと。
 FSS映画の次回作が3159、すなわちミラージュ騎士団によるアドラー星への武力侵攻となれば、間違いなく大規模なGTM戦闘となるので、作画が大変になることは明白だ。『花の詩女』のように永野ひとりでメカ作画をこなすという訳にはいかない(あの一連のシーンだけでも相当な手間と時間がかかったはず)。だから、あの映画は次回作制作のための宣伝にもなっているとぼくは考えている。こういう作画演出でやるから興味あるアニメーターは覚えておいてね! って。俺が描くロボットってのはこう動くんだぜ! こういう音が鳴るんだぜ! それは作者自身が映像にするまで全く分からなかった。だから、それを分かってくれ! また映画作るからさ! ってことだったんじゃないか。
 もしFSS映画の新作を作るとなれば、さすがに『花の詩女』ブルーレイを出せと角川から言われるだろうと思っている。今月のニュータイプを読んだとき永野がハリウッドという言葉を出してきたときにも感じたけれど、ハリウッド映画はパッケージ化することでの利益を前提として映画作るでしょ? どうして永野はそこだけ無視している? などと愚痴を書いても仕方ない。とにかく、映画を作るとなれば制作費の問題もあるので売れるパッケージは出して資金を得る。そのために、再度スタジオを組んだときに、まず『花の詩女』リテイク作業を行い、パッケージで出す。そして、そのスタジオで次回作の制作に入る。
 ぼくが『花の詩女』パッケージはリテイクありきとしているのは、これは直したほうがいいと思うカットがあった(これはあくまでも個人の感想であり、また、そのために作品のクオリティが下がってしまっているということはないと断言しておく)、だから直したいだろうと永野が考えているだろうと感じたからだ。そうでなくとも、あの作者ならリテイクしたいカットが絶対あるだろうとも想像している。だけど、リテイクなどしなくてもいいから出して欲しいというのが、本当のところだ。
 劇場での迫力や体験が100だとすれば、自宅のテレビで見ると、環境にもよるけど60~30程度に下がってしまうと思う。けれど、このまま永久に出さないってことは、さすがにないと思う。今ではドリパスがあるから、例えパッケージ化されたとしても上映は繰り返されると思うし、是非とも劇場で見たい映画だという感想は変わらない。
 それにしても、ここ数年の永野護の仕事の忙しさを見ると、次回作の映画はかなり先の話になると思う。なにせ連載を休まず(これまでのFSSは度々休載していた)、デザインズの新作の準備もある。カイゼリン立体モデルの発表、上記の記事は約一年前だが、この発売もいまだにアナウンスされていない。

追記

 後で追記する予定。ある程度書いたらツイッターで告知するつもり。
 永野護がブルーレイを出さないのは、自宅のテレビで見ただけで語って欲しくないという考えだと思う。あまり映画を見ないぼくでも、例えば『シン・ゴジラ』をテレビで見たときに、あの劇場で体験した感動が減衰されてしまったと感じた。ぼくがブルーレイとして出して欲しいと書いたのは、自宅で見たいということと、興味のない友人に貸して、見て欲しいという思いもある。しかし、劇場とは程遠い家庭用のテレビで見て、この程度かと思われてしまうかもしれない。それを永野が望まないという気持ちは、分かるつもりだ。
 多くの星団民*2は、それを分かっているから、ブルーレイで出さなくても構わないし、またドリパスにリクエストしよう。ちょっと遠くてもいいから劇場に見に行こう。そうなっている。ぼくのようにブルーレイを出してくれと言う奴は、あの映画の本質を分かっていない愚か者だということになる。

『花の詩女』公開当時の予告編動画

関連する過去のブログエントリー

過去に書いたFSSエッセイ個人誌

about

*1:公式ウェブ(http://gothicmade.com/) / 花の詩女 ゴティックメード - Wikipedia

*2:ファイブスター物語の世界、ジョーカー太陽星団で暮らす人民を指す言葉だが、FSSファンは自分たちをそう呼ぶ。

語られなくなった安倍なつみ

江連博士の日記から

つんく♂アップフロント

 モーニング娘。についてぼくらが知らないこと。それは、プロデュースするのはつんく♂だが実際に売り出したのはアップフロントという芸能プロダクションだということ。例えば、「安倍なつみをメインに売り出すためにモーニング娘。が結成された」というぼくらの記憶は、つんく♂の意志ではなくアップフロントの戦略によって植え付けられたものだった、ということだ。
 モーニング娘。を作ったのはつんく♂だ。テレビ東京ASAYANという公開オーディション番組の企画。小室哲哉がプロデューサーとしてヒットを連発していた時代だった。ASAYANでのシャ乱Qが関わるオーディションのなかで、オーディション落選者をつんく♂がプロデュースする流れとなり、モーニング娘。が生まれた。
 これまでぼくらは、プロデューサーがどんな仕事を行っているのかを知らなかった。本やインタビューなどの、つんく♂の発言を読むと、それが良く分かる。最近のつんく♂は、モーニング娘。について振り返ることが多い。ハロプロの総合プロデューサーを降りた彼の発言から、これまで知られなかった新事実が読み取れる。
 声帯摘出により声を失ったつんく♂は、まず、著書『だから、生きる。』(2015年)にて、多忙を極めたプロデューサー時代を振り返る。自分の意志で何でも決められることが快感で、休む時間が無かったけれど夢中になった。そして、身体が悲鳴を上げていた。
 つんく♂の著書、そして『モーニング娘。 20周年記念オフィシャルブック』(2018年)に掲載された彼のインタビュー。近年のつんく♂の発言の要点は以下の通りだ。

モーニング娘。について、メンバー選考、作詞作曲、レコーディング、サウンドの方向性、ダンスやコンサートの演出まで、ありとあらゆる決定を行った。
モーニング娘。楽曲はシャ乱Qでは出来なかった100%つんく♂サウンドと呼べるものだった。
モーニング娘。の楽曲は、その時点でのメンバーの人物像、キャラクターに当てはめて書かれたものであり、新メンバーの加入によって変わっていくものでもあるが、例えば、その歌詞の登場人物(主人公)の性格は、意外と変わらない。
安倍なつみなど、センターとなるメンバーを贔屓しては、いなかった。
デビュー当時、安倍なつみを推していた(安倍を中心に売り出していこうと考えた)のは、つんく♂ではなく、当時のモーニング娘。マネージャーであった和田薫
メンバーの選考について100%つんく♂だったのは4期メンバーまで。
LOVEマシーン」のヒット以前は、つんく♂の好きにやらせるという、のんびりした空気だった。
アップフロントハロプロ研修生(当時のハロプロエッグ)を重要視していなかったので、エッグからモーニング娘。メンバーへ昇格させることが難しかった。
つんく♂ハロプロ研修生(エッグ)のメンバー、全ての人となり、キャラクターを把握していた。
ここまでがハロプロ総合プロデューサーだった頃のエピソード。
プロデューサーを降りたのは病気のせいではなく、自身が描くハロプロアップフロントが目指すところが違ってきたため。

 ハロプロの総合プロデューサーを降りてから、つんく♂は、ハロプロについて、ほぼモーニング娘。についてしか語らなくなった。著書にも書かれているが、モーニング娘。は「音楽人生の半分以上を賭けてきた」存在だと言う。『オフィシャルブック』ではモーニング娘。を「もう1人の僕」だと言う。Berryz工房℃-uteなど、つんく♂プロデュースのハロプログループは数多くあるが、それらについて彼が語ることは、無くなった。彼にとって、モーニング娘。は特別なものなのだと、ぼくらは気付かされた。
 つんく♂ハロプロの、モーニング娘。の総合プロデューサーから離れて、現在のモーニング娘。はどうなっているのか?
 つんく♂モーニング娘。をプロデュースする際に重要視していたのは、自分を驚かせてくるような新メンバーを探して加入させること。メンバーから刺激を受けて曲を作ること。16ビートのリズム感を教えること。ハロプロの総合プロデューサーを降りて、現在ではハワイ在住のつんく♂は、以降に加入したモーニング娘。新メンバーについて詳しくなく、曲の「当て書き」が出来ないことを少し悔しがっている。
 つんく♂が他のプロデューサーと違っていたのは、自ら仮歌を録音することだ。初期にはレコーディング時にマンツーマンで指導していた。それは、陶芸家が弟子にその技を相伝する行為に近い。喉の調子が悪くなり仮歌の収録を止めるまで、彼は仮歌を録音し続けた。結局、喉頭癌で声帯を失うこととなった。彼は命を削ってハロプロを作ってきたのだ。
 2015年から、ハロプロつんく不在の穴をどうやって埋めるか、必死だった。本題ではないので詳しくは書かない。
 モーニング娘。'14のニューヨーク公演。これはプロデューサーつんく♂の最後の仕事だった。翌年の2015年から、つんく♂モーニング娘。に楽曲を提供するソングライターとしてモーニング娘。に関わるようになった。他のハロプログループに曲を書くことは、ほとんど無くなった。
 モーニング娘。'15からは、つんく♂のプロデュースでは無くなった。ぼくらはこれを、富野由悠季以外の監督のガンダムのように感じ取って、見続けている。ガンダムとは富野監督作品のみを指すというファンがいると聞く。
 最新のモーニング娘。のアルバムには、つんく♂楽曲が多く収録されているのだが、それまでの「Produced by つんく♂」と表記されていた頃と比べて、どこか物足りなさを感じてしまう。全体的に似たような曲が続く。聞きやすいかもしれないが、「Produced by つんく♂」ラストとなったハロプロ研修生のファーストアルバム(2015年発売)のような、鮮烈な印象とは程遠い。

安倍なつみの尻尾

 ところで、ぼくらの記憶だと、モーニング娘。の中心人物は、グループのマザーシップとも称された安倍なつみだった。どう見ても、そのように感じられた。「ふるさと」までのモーニング娘。楽曲は、安倍なつみを主人公として描かれたものだと思っていた。だからぼくらは、プロデューサーのつんく♂自身が安倍にかなり入れ込んでいたのだと思っていた。ところが、最近のつんく♂の発言を読むと、安倍なつみをそこまで高く評価していないことが気になった。
 ハロプロ20周年ということで、現在のモーニング娘。メンバーが歴代の先輩についてインタビューなどで語ることが多いのだが、安倍なつみを偉大な先輩だと発言する者が一人もいなかった。
 安倍なつみの名前を挙げるモーニング娘。現役メンバーが居ないことについては、とりあえず無視する。彼女たちの自由だからだ。勝手にすればいい。しかし、つんく♂安倍なつみについて、さほど絶賛していないのは、意外だった。
 しかし、「LOVEマシーン」ヒット後に刊行されたつんく♂の著書『LOVE論』(2000年)を読み返してみると、つんく♂安倍なつみ評は、当時から現在まで、変わっていなかった。この著書では、安倍を森高千里つんく♂にとってはアップフロントの先輩)と同様の「敷居の高い女」と称するが、要するに頑固なのだと言う。2018年の『オフィシャルブック』のインタビューでも、安倍=頑固と答えている。その点で、つんく♂の発言は一貫している。
 その前の時点、モーニング娘。結成の経緯について、つんく♂はこれまでに何度も語っているが、ハロプロの総合プロデューサーを降りてから、その発言のニュアンスが微妙に変わってきた。もう、ぶっちゃけても良いだろうという感じだ。『オフィシャルブック』のインタビューの冒頭、つんく♂は、こう語る。マネージャーの和田薫安倍なつみを中心に売り出すと息巻いていた。和田はシャ乱Qのマネージャーでもあった。和田の仕事がなければシャ乱Qのヒットはなかった。つんく♂は世話になった和田に恩返しをしたいということで、和田の意向を汲み、モーニング娘。のプロデュースを引き受けた。
 プロデューサーであるつんく♂自身、安倍なつみをメインに売り出すとは一言も言っていないのだ。これがモーニング娘。の真実だ。
 初期のアップフロントの戦略で、ぼくらは安倍なつみこそがモーニング娘。だという記憶を持つ。しかし、実際には、そうではなかった。安倍の人気が高いことは嘘でも幻でもない。だけどそれは、コンサートでなっちコールを繰り返すぼくらだけが知っている。それは、ぼくらが共有する体験談だ。
 安倍なつみ後藤真希、そしてハロプロのソロ歌手として最も有名な松浦亜弥。ぼくらは、この3名を「御三家」として特別視するけれど、つんく♂は誰も贔屓していないし、彼は、あの頃は良かったというような、過去の栄光にすがるような発言をしていない。『オフィシャルブック』でのつんく♂インタビューでは、どの時代のモーニング娘。が良かったと優劣を測るようなことはなかったし、現在でも過去の曲は古びていないのだと、いわば、モーニング娘。全肯定を行っている。
 そのようななかで、ぼくらは、ずっと勘違いを続けてきたのだろうか。
 ぼくらはこれまで、全てのハロプロメンバーにとって安倍なつみとはアークマスター(ここでは精神的支柱を指す)となっているものと、信じて疑わなかった。2018年現在、そういうふうには、なっていない。ぼくらがそう信じて疑わなかったのは、現在のモーニング娘。メンバーからリスペクトされている高橋愛を、それほど高く評価していなかったからだ。正当なものの見方ではないことは承知している。現在の若いファンにとって重要な、いわゆるプラチナ期が、ぼくらにとっては退屈でしかなかった。
 高橋愛が絶賛されて、安倍なつみが無視されている。そのように感じるから、ぼくらは歴史の改変だと叫んだ。最近の安倍は育児休暇中であり、他のモーニング娘。OGと違って芸能活動を控えている。そして、ハロプロ20周年として多くのモーニング娘。OGが積極的にインタビューに答えているなかで、安倍は多くを語らない。現在でもモーニング娘。現役メンバーに言及しコミットしているモーニング娘。初代リーダー中澤裕子とは対称的に、安倍なつみは沈黙している。それは、もしかしたら、彼女の願う世界だったのかも、しれなかった。
 安倍なつみのファンとして、思うところがあったので、ここまで書いたのだが、冷静ではないことを分かって頂けるだろうか?
 現在のハロプロについて、ぼくらは何を見ているのか。興味が無くなったわけではない。無理してハロヲタを続けているわけでもない。そして、ぼくらがハロプロ以外のアイドルに夢中になることは無い。ハロプロと同じアップフロント所属のアプガや吉川友であれば見ることはあるかもしれないが、ハロプロ特有の「癖」にすっかり馴染んでしまっているぼくらは、ももいろクローバーやAKBのような他社のやり方が好きになれない。アイドルファンのなかにはハロプロだけは見ないという者がいる。だから、ハロプロだけを見続けるぼくらには理由がある。
 ぼくらにとってモーニング娘。メンバーとは、安倍なつみからバトンを託された後輩なのだから、たとえ彼女たちから安倍の名前が出てこなくても、決して無視出来ない。
 そのように考えるぼくらは、いわば安倍なつみの尻尾だ。