今日行われた大学の入学式でつんくが声帯摘出を公表した。ぼくは激しい失望に襲われた。 最近ハロプロファンになった若い人達は知らないかもしれないが、ハロプロとは、つんくの生声による歌唱指導がプロデュースの重要な点だった。昨年から癌を患っていることは知っていて、たまにメディアに出演するとき、彼の声がひどい状態であることを聞いていて、これを治さなければならないだろうなあと感じていた。しかし、声帯を摘出したということは、すなわち、もう二度と声が出せないということだ。ぼくのタイムラインではハロプロファンが、生きることを選択したこと、これまでの彼の偉業を評価し、感謝するツイートがみられたが、ぼくはそういうことを書く気になれなかった。
こんな例えはどうかと思うけど、今日のつんくの公表は、なっちがモーニング娘。を卒業したときの感覚に似ている。つんくがただの歌手ならば、お気の毒にとしか思わなかったのかもしれない。だけど、彼のプロデュースこそがハロプロの基幹だから、どうしても自分のことのように感じてしまう。それでも、少なくとも今年に入ってからは、つんくはほとんど関わらずにハロプロは進んでいて、それで、おおむね上手くいってる。アンジュルムや℃-uteの楽曲制作の過程がYouTubeで公開され、アップフロント橋本慎の仕事が特徴的だった。
ハロプロの歴史のなかで、Buono!や真野恵里菜など、これまでにもつんくプロデュースではない楽曲もあって、それでもハロプロらしさというものはあった。だから、つんく=ハロプロだという前提ではない事例も、あるにはあった。それでも、やはり、これまでの彼の仕事こそがハロプロの歌声を作ってきたと感じている。
ぼくのなかでは、今回のことがあって、ハロプロは後期に入ったのだと認識した。
いまだ闘病中でもあるし、再発の恐れもある。つんくがハロプロに関わる密度は以前のように濃くはならなくなるかもしれない。
ぼくは、ハロプロファンのみんなが言っているような、最もらしいことは、言えない。彼から声を奪った病が憎い。ただ、悔しい。それだけだ。
ハロプロエッセイ頒布のお知らせ
5月4日、文学フリマにてハロプロエッセイ新刊コピー誌(個人誌)を頒布。
頒布サークル「はなごよみ」D-05~06
第二十回文学フリマ東京
2015年5月4日(月祝)
11:00~17:00
東京流通センター 第二展示場
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http://bunfree.net/?tokyo_bun20
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