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さよならスマイレージ

 2014年12月17日、ハロプロスマイレージがアンジュルムに改名した。


驚く3期メンバー佐々木莉佳子*1

スマイレージ 新グループ名 決定について
ニュース詳細|ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト
2014年12月17日

 2009年に結成されたスマイレージは、当時、ハロプロで最も新しいグループとして注目された。メンバー自身によるツイッター実況イベントや、USTREAM番組「生スマ」の配信など、それまでのハロプロになかった活動にも積極的だった。結成当時のメンバーは、和田彩花前田憂佳福田花音小川紗季の4名。全員がハロプロエッグからの選抜メンバーだ。
 ハロプロエッグとは、ハロプロに所属し歌やダンスのレッスンを受ける研修生の集団であり、ハロプログループのバックダンサーとしてコンサートに出演したりしていた。一方で定期的にエッグメンバーの単独公演が行われており、公演に出演できるメンバーはその時点で他社のアイドルタレントのスキルを超える実力を備えていた。そのようなエッグの現場に通う熱心なファンもいた。現在ではハロプロ研修生と名称を変更したが、エッグ時代と同様に活動やレッスンを続けている。
 これまでにも、例えばモーニング娘。オーディションで落選した者のなかから、レッスンを受けさせデビューした歌手もいたが、エッグはそうではなく「知る人ぞ知る」存在でもあった。エッグからハロプロの正規グループに「昇格」した者はこれまでにもいたが、メンバー全員がエッグ出身というのはスマイレージが初であった。グループ内に「先輩」がいないスマイレージは、よく言えば仲良し、悪く言えば「悪ガキ」だった。その騒がしい様子は「生スマ」にて毎週確認することができた。スマイレージがシングル「夢見る15歳」でメジャーデビューした2010年、世間ではハロプロ以外のアイドルグループがもてはやされていて、それを誰かが「アイドル戦国時代」などと勝手に呼び、何度目かのアイドルブームであるかのような演出がなされていた頃だった。そのような、うさんくさいブームもどきにハロプロは乗らなかった。しかし、スマイレージはその若さゆえ、無謀にもその渦中に飛び込んで行った。元々、エッグの精鋭が集められたスマイレージは、そのスキルにおいて他者のアイドルグループなど敵ではなかった。その年の12月には、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した。
 しかし、スマイレージの躍進は、「アイドル戦国時代」を望むような、スマイレージを「アイドル」としか見ていない人達にとってのブレイクには、なっていなかった。そして2011年、スマイレージはメンバーの増員を行うことを発表した。そして、間もなく、前田憂佳小川紗季スマイレージ脱退が告知された。USTREAMの「生スマ」も終了してしまった。単純にみれば、戦略の建て直しを図る時期だったのだろう。
 気がつけば、2期メンバーを迎え入れたスマイレージは、Berryz工房℃-uteのような、ハロプロの主要グループのひとつになっていた。2014年の7月には日本武道館での公演を行った。そして9月、突如として、グループ名の変更と3期メンバーの増員が行われることが告知され、ハロプロ研修生から3名が追加された。

つんく不在

 ところで、ぼくが寂しいと感じるのは、つんくの不在だった。スマイレージを含むハロプロのプロデューサーつんくは、現在、病気療養中であり、これまでのように、コンサートに突如登場し爆弾発言を行うことも、なくなってしまった。現在でもハロプロのプロデューサーであることに変わりはないのだが、今回のスマイレージの改名の動きのなかで、なぜかつんくは一歩引いたところから眺めているようなスタンスを取っている。これまでであれば、ハロプロの重要な決定は、つんくの名でアナウンスされていたし、彼が決めた事案であることになっていた。しかし今回のスマイレージ改名と増員は、初期メンバーの和田彩花福田花音の発案であるというのだ。


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スマイレージ増員&改名? - Togetterまとめ

 もちろん、そんなことはないと思いたいのだけれど、つんくスマイレージを見放したのか。そんなことを考えてしまう。改名の発表も、つんくの名ではなく、単なる事務所発表のものだった。

スマイレージ 新グループ名 決定について
ニュース詳細|ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト
2014年12月17日

 そして、アンジュルムとしての新曲の詞曲に、つんくは関わっていない。

アンジュルム シングル「大器晩成/乙女の逆襲」
発売日:2015年2月4日
1. 大器晩成 作詞・作曲:中島卓偉 編曲:鈴木俊介
2. 乙女の逆襲 作詞:児玉雨子 作曲:川辺ヒロシ・上田禎 編曲:CMJK
3. 大器晩成(Instrumental)
4. 乙女の逆襲(Instrumental)
スマイレージの新しいグループ名が“アンジュルム”に決定! 改名後第1弾シングルが2月4日発売決定! | GirlsNews

 病気療養中のつんくへの負担を減らしたいからこうなったのだと、ぼくは信じたい。けれど、企業としてのアップフロントが、業務として、つんく以外での楽曲制作体制を整えたいというのであれば、それはひとつの策なのかもしれない。


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福田花音

 ぼくはハロプロエッグのことは知らない。しかし、安倍なつみと舞台で共演した、当時エッグだった福田花音のことは知っていた。℃-ute萩原舞と背比べをしている動画を見て、かわいいと思ったこともあった。背が低いことを気にしていた福田が、どんぶり一杯のミロを毎日飲んでいたことを、彼女のブログで読んだこともあった。母親の影響もあって2歳か3歳の頃からパソコンを使い始めた。ブログの文章が上手い小学生。利発な子。ハロプロエッグの優等生。エッグ時代の福田花音のことを、その程度には知っていた。福田以外のエッグメンバーは、ほとんど知らなかったけれど、ハロプロファンの間でエッグの話題が登ることはあって、彼らのブログを読んで、人気のある子の名前は知っていたと思う。前田憂佳が「ゆうかりん」と呼ばれていたことなどを、ぼくは覚えていたはずだ。
 福田花音は出来る子だという、ざっくりした印象がまずあって、スマイレージが結成されて、ぼくは彼女中心でグループをみていたはずだった。USTREAMの「生スマ」は、これが世界で一番面白い番組だと思っていたし、毎週楽しみにして見ていた。福田と前田のトークが面白かったし、もちろん4人のトークが楽しかった。なにより福田が面白かったのは、今で言う「話を盛る」ことが自分で面白いと思って話をしているところだった。おそらく、福田の、多少大袈裟に話をするところが客観的に高得点だったかは、微妙なところである。自分のことを「シンデレラの生まれ変わり」などと言って、騒がしい「アイドル戦国時代」に殴りこみをかけたことを、共演したお笑い芸人のように、半分諦めたように、それでも、福田自身がそれでやる気になっているのなら、まあいいだろう。その程度に思い、「それ行け!」と野次を飛ばしていたのが、当時のぼくだった。
 ところが、ある日突然「生スマ」は終わってしまい、2期メンバーの募集が開始。そして、前田憂佳小川紗季の脱退。ぼくはその時点で、スマイレージから離れてしまったんだと思う。小川紗季の豪快な笑い方が好きだったけれど、どこかへ消えてしまった。前田憂佳福田花音の「ゆうかのん」は、もう存在しないし、あの「生スマ」を楽しんだ素晴らしき日々は、もう戻ってこない。デビュー当時のミュージックビデオが今でもYouTubeの公式チャンネルに残されているが、あの4人の姿を見るたびに、ぼくは、どうしようもない気持ちになってしまう。今ならば、モーニング娘。に追加メンバーが加入されると発表されたときの、オリジナルメンバーやファンの気持ちも分かるつもりだ。ぼくのなかで、確実に、スマイレージに対する熱が冷めてしまった。ぼくにとっては、今やスマイレージとは、単なるハロプロのグループのひとつでしかない。もちろん、ハロプロが事実上の現役トップのアイドルグループ集団であることに変わりはない。
 2期メンバー加入後のスマイレージ和田彩花はリーダーらしくなったが、福田はまだ迷走しているようにみえる。滅多に現場に行かないぼくだけど、たまたま新宿のアルタ前で彼女たちのダンスを見たとき、タケちゃん(竹内朱莉)のそれが特徴的だったことは覚えている。

アイドル・マジェスティックスタンド(モニ・セイクレッド外伝)より

 バッハトマの侵攻により勃発した、アイドル魔導大戦(アイドル・マジェスティックスタンド)。戦局は泥沼化し、すでに数ヶ月が経過していた。ハロプロはアイドルの老舗であり、多くのファンを獲得していて、多くのメンバーや首脳陣は、その戦況を無視していた。勝者を生まない無益な争いはさらに多くの血を流すことになるだろう。そのように考えていた。ところが、スマイレージは、その中でも特に福田花音は、アイドル戦国時代というブームに、あえて積極的に乗る姿勢をみせた。自身のブログのタイトルを「アイドル革命」に変えて、ことあるごとに「いまアイドル戦国時代じゃないですか。私たちは負けません!」などと、繰り返し発言するようになった。
 福田は自らが「シンデレラの生まれ変わり」であることを告白。ここにシンデレラ福田が誕生。実際に彼女がシンデレラキャラをファンに披露するのは、2010年の4月頃からだ。スマイレージになる前の彼女はハロプロエッグに在籍、歌唱や演技に定評があり、エリートコースを歩んでいた。それが突然「シンデレラの生まれ変わりです」と言い出したため、正直、とまどったファンは多かった。

 魔導大戦により失われたアイドルグループの数は膨大であったという。モニ・セイクレッド*2に書かれているのはここまでであり、その後、前田憂佳の引退により魔導大戦は終結した、とある。
 なお、アイドル魔導大戦については、以下の同人誌にも僅かな記述が残されている。


NAGANO! - 萌えぎのエレン同人誌info

佐々木莉佳子

 今ぼくが気になるハロプロメンバーは、佐々木莉佳子、Juice=Juiceの宮本佳林、そしてモーニング娘。佐藤優樹。この3名だ。


気仙沼で活動する小学生アイドル・佐々木莉佳子親子の2年「思い出は流れたけど、私たちには未来がある」 - アイドル - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

佐々木莉佳子(元SCK GIRLS)ハロプロ研修生に加入 - Togetterまとめ

SCKガールズの佐々木莉佳子ちゃんがハロプロ研修生に加入! : ハロプロキャンバス


【つんつべ♂】SCK GIRLS 佐々木莉佳子ちゃんがハロプロ研修生入り | こしたんたんとまとめ
つんつべ♂出演リストあり

 佐々木莉佳子については、「つんつべ♂」という番組で初めて知った。ハスキーな声もよかったし、生意気な小学生という感じのキャラクターもよかった。だけど、ぼくが彼女を好きになった理由は、簡単には説明できない。いつだってそうなのだが、ぼくが好きになるのは、こういうタイプのキャラクター分類に当てはまるからという理由のはずだけれど、それを言葉で上手く説明できない。だいたいこういうタイプの子が好きになる典型は、あるはずで、例えばそれは、「あっぱれさんま大先生」というバラエティ番組に出演していた人気子役、有田気恵に似ているから、かもしれなかった。
 モーニング娘。のリーダーでありハロプロリーダーでもあった道重さゆみが同グループそしてハロプロから卒業した2014年、ハロプロでは色々なことがあった。Berryz工房の無期限活動休止宣言(2015年の春まで活動)。モーニング娘。12期メンバー加入。スマイレージ3期メンバー加入。矢島舞美道重さゆみ卒業後のハロプロリーダーに就任。カントリー娘。改めカントリー・ガールズ始動。また、ナイスガールトレイニーから数名がハロプロ研修生となり、ナイスガールトレイニーの活動終了が噂されている。道重さゆみの卒業以外にも、これだけの出来事があった。
 全体を通して感じたのは、ハロプロ研修生が無視できない存在となってきたことだった。ハロプロで最も新しいグループは、ハロプロ研修生数名から選ばれたJuice=Juice(ジュースジュース)であり、モーニング娘。スマイレージの新メンバーもハロプロ研修生(と呼ばれる以前のハロプロエッグを含む)から選ばれた者が何名かいる。ハロプロの未来を担う人材、それがハロプロ研修生なのだとすれば、自然と注目する。そういうハロプロファンも、いるかもしれない。
 彼女たちはその名の通り研修生であり、同時に「ハロプロ研修生」というグループでもある。定期的に公演を行い、熱心なファンもいる。そうではあるが研修生はレッスンを受けている段階であり、基本的にテレビなどのメディア露出はなかったし、現場に行かないぼくにとっては、遠い存在でもあった。これまでにも、研修生からハロプロの正規グループに加入するというメンバーは数名いたが、研修生そのものにぼくの興味が向かうことは、なかった。
 そのようなぼくの印象が変わってきたのは、宮城県出身佐々木莉佳子が加入した頃だった。震災後、気仙沼の地方アイドルグループのメンバーとして活躍していた小学生だった彼女は、つんくの番組「つんつべ♂」にも何回か出演していた。そのルックスの良さから(全国の地方アイドルをチェックするようなマニアが広めたのかもしれないが)知るひとぞ知るという存在でもあった。ぼくは、つんくの番組に出ていたということで知っていて、面白い子だなあと思って見ていた。他人の話を「ん?」という不思議そうな顔をしてきいている、その感じが、かわいいと思って見ていた。ぼくの住む福島の隣の県ではあったけれど、現場に行こうとは考えていなかったので、生で彼女を見たことはない。そして、ある日、彼女がハロプロ研修生になっていたことを知って、驚いた。その後、BS日テレハロプロ研修生の番組「はぴ☆ぷれ」がスタートして、莉佳子目当てで見始めたぼくも、うっすらとではあるが他の研修生の名前を覚えるようになった。
 10月4日、すでにハロプロ研修生としてレッスンを受けていた佐々木莉佳子が、スマイレージ3期メンバーに選ばれた。東北出身者でハロプロのグループに加入したのは、小湊美和福島県/太陽とシスコムーン)、村田めぐみ宮城県/メロン記念日)、仙石みなみ宮城県/音楽ガッタス)、石田亜佑美宮城県/モーニング娘。)に続いて5人目となる。これまでぼくは、地元東北出身だからという理由だけで贔屓しようという思いはなく、例えば高校野球で東北のチームが勝ち残っても何も感じていなかった。けれど、莉佳子だけは、ぼくのなかで、なぜか特別の存在となっている。
 「はぴ☆ぷれ」が終了し、これで、しばらく彼女の姿を見ることはないだろうと思っていたところに、スマイレージ3期メンバーとして選ばれたとの報が入ってきた。しかし、ぼくにとっては、もうスマイレージは、ハロプロで何番目かに好きなグループでしか、なくなっていた。そんなところに入れられてしまい、これから莉佳子はどうなるのだろう。前途多難だ。申し訳ないけれど、そんなことばかり考えていた。
 だから、今回のグループ改名で、ぼくのなかでのスマイレージは死んだことにする。スマイレージとはさよならすることにした。もう二度と思い出すことはない。
 そして、佐々木莉佳子は、ハロプロで一番新しいグループ「アンジュルム」のメンバーとして活躍する、期待のホープだ。それならば、それでいいじゃないか。

予告

 ぼくは元々は安倍なつみのファンであり、なっちがいたからモーニング娘。ファンであったしハロプロファンであった。だけど、なっちが卒業しても、しばらくはハロプロの熱心なファンだったと思う。メンバーにも愛着があった。それが、年ごとに薄れてしまうのは仕方のないことだろう。それでも、ハロプロ以外のアイドルグループにはまったく興味がないし、それは今後とも変わらない。また、つんくがプロデュースするということが、ぼくがハロプロを好きでいられる大きな理由のひとつでもあるはずだ。
 ハロプロ以外のアイドルグループが世間では流行しているということになっているが、ハロプロの邪魔さえしてくれなければ、どうぞご勝手に、としか思わない。けれど、ぼくがハロプロへの興味が薄れていくなどとウェブで書くことでハロプロの邪魔をしているのだとすれば、もうぼくはハロプロファンを名乗れない。最近は、そんなつまらないことばかり考えていて、よくない。

参考


スマイレージはいつもこうだ|スマイレージ 和田彩花 オフィシャルブログ 「あや著」 Powered by Ameba

アンジュルム|スマイレージ 福田花音オフィシャルブログ「アイドル革命 いちごのツブログ season2」Powered by Ameba

お知らせ

 冬コミC87にサークル参加します。

12/28(日)
はなごよみ
西に-19b
https://webcatalog-free.circle.ms/Circle/11600368

 今回は、押井さんid:osito(はなごよみ主宰)の新刊「プリパラおじさん日記」が出ます。アイドルファンも必読の一冊です。


「正かな6」発売中&新刊「プリパラおじさん日記」制作中 - 「はなごよみ」公式ブログ

 ぼくの新刊も出します。このブログエントリー内容を元に再構成した文章も掲載。よろしくです(●´ー`)


さよならスマイレージ - 萌えぎのエレン同人誌info

*1:これは改名を知らされたときではなく、スマイレージ3期メンバーに彼女が選ばれたことを知ったときのものです。

*2:モーニング娘。そしてハロプロの、誕生から未来までのすべてが記された書物。多くの支配者がそれを読みたいと願っているが、閲覧者はまだ居ない。