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モーニング娘。の特徴とは #hps_jp

 一般的に女性アイドルは、女の子が歌って踊っていればそれだけでかわいらしいという、それだけの存在だ。しかし、モーニング娘。は違う。実際には、握手会を行うし、他社のアイドルタレントとやっていることは変わらないようにみえる。ルックスの良い「かわいこちゃん」の人気が高いのも事実だ。
 そうではない。根本が違うのだ。
 アイドルでありながら、いわゆる「アイドル」ではない。かわいらしい女の子が集団で踊っているのが「アイドル」だとすれば、モーニング娘。は様々な点で異質だ。「アイドルファン」のなかにモーニング娘。(を含むハロプロ)だけは応援しない層が存在することがそれを示している。
 モーニング娘。誕生以前にモーニング娘。は存在しなかった。モーニング娘。とはエポックであり、唯一無二の、いわば特異なグループなのだ。ではなぜ、モーニング娘。は、他と違っているのか。
 まず、キャラクター優先の人事がそうだ。創設時からこのグループのメンバーはオーディションによって選ばれているが、そのキャラクター(性格)はバラバラだ。なかには、他社では絶対に採用しない、「アイドル」とは呼べない者、美少女とは呼べないような顔立ちの者もいる。これは他社のアイドルグループでは、まずありえない。それこそが、このグループの特徴だ。「アイドル」にふさわしいと思えない人物が数年のグループ活動を経て「化ける」ことが、このグループにはよくある。個性を尊重し、伸ばす。それがアップフロントのやり方だ。そのやり方はモーニング娘。創設時から一貫したもので、例えばつんくの著書『LOVE論』に詳細が書かれている。
 そして、卒業システムの導入。新メンバーを定期的に加入させる一方で、将来のためにグループを旅立つメンバーがいる。創設時のメンバー福田明日香から始まった、この卒業システムとは、まずグループ卒業日を公表して、その日(卒業コンサートが開催される)までにきっちりと悔いの残らないように活動することだ。目標意識を持った集団のパワーはすさまじく、もちろん、グループが常に若返る。新人の教育にはそれなりに手間が掛かるが、人を育てるのがアップフロントの責務なのだし、その結果とんでもないスターが誕生することもあり、とても面白い。なお、卒業というかたちを取らないで辞めていったものは1997年の創設時から数えても、数名しかいない。
 音楽的には、サウンド優先の楽曲制作が挙げられる。モーニング娘。は同事務所の先輩、森高千里シャ乱Qの面白さ(キャラクタービジネスと言い換えてもいい)を女性グループに応用したものだが、サウンド面でも、例えば森高の楽曲に関わった作曲家やバンドマンなどを起用し、これまでの経験や人脈を生かしたクリエイティブを行う。元々アップフロントは音楽制作チームであり、さらに原版製作から興行(コンサート)まで自分たちで行えるノウハウを持つ集団だ。音楽を作り、届けるという点で一貫性がある。だから、モーニング娘。の楽曲は他社のアイドルグループよりも音楽評論家から言及されることが多い。そして、モーニング娘。のメンバーには、歌うこと、歌手であることが前提だと、徹底させる。上手いか下手かの問題ではない。志を持てということだ。基本的に口パクをしない(させない)ことは、その端的な表れだ。近年ではハロプロ研修生からの繰り上がりメンバーが増えてきて、ダンス(踊ること)に対する意識も加入前から高いのだが、基本は歌手であることが大前提だ。歌手であるという自覚がまずあり、アイドルとも呼ばれる。この順番が逆ではいけない。それがモーニング娘。であり、ハロプロなのだ。
 1998年にメジャーデビューしたモーニング娘。は、これまでの女性アイドルグループと異なっていた。これらの特徴はデビュー時から現在まで変わらないものだ。そしてそれは他のハロプロのグループにも受け継がれている。他社のアイドルグループもこれらの一部または全部を模倣しているが、元々はモーニング娘。がシステムとして開始し定着させたものだということを忘れてはならない。
 重要なのは、現在のような女性アイドルブームなどまったくなかった当時に、モーニング娘。がアイドルと呼ばれる存在となったことだ。
 当時、アイドルと呼ばれる女性歌手は過去のものとなっていた。だから、アップフロントは、それを作り直した。かつて存在した「アイドル」のようではあるが、似て非なるものたちだ。
 つんくおニャン子クラブ世代だから娘。はおニャン子っぽい。そのような言われ方がされたかもしれないけれど、もちろん直接の影響はない。見た目がそうだとしても本質はそこじゃない。

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