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モニ・セイクレッドとは #hps_jp #fss_jp

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 ぼくが毎日作成しているハロプロまとめには、モニ・セイクレッドという名前が付いている。

 これは永野護が描く漫画、ファイブスター物語モナーク・セイクレッドから引用したものだ。そのことについて、いつか書こうと思っていたことなので、簡単に説明しておく。
 ファイブスター物語に登場するモナーク・セイクレッドとは、全人類を記録するシステムだ。これまでの全ての人類の記録、生まれてから死ぬまでを光(コンピューター内のデジタルデータのようなものと考えられる)として保存し続けている。人間の記憶を次の世代に受け継ぐ目的らしいが詳細は不明。モナーク・セイクレッドの存在はそもそも広く知られておらず、ごく一部の人間だけが、そのようなものがあるらしいことを知っている。
 そして、ジョーカー太陽星団に住む、人間を含む全ての生物の生体コードには「モナーク・セイクレッドののぞみ」と記されているのだと言う。
 ファイブスター物語の世界では、モナーク・セイクレッドは「この世の全てを手中に収めた者が求めるであろう聖典」と呼ばれている。主人公、天照帝が自身のミラージュ騎士団のロボットにモナーク・セイクレッドの紋章を付けたことを知った、出雲アストロシティの天才、Dr.ダイアモンドは、「あのマークをご存知とはね」と感嘆した。踏み込んではいけない、神聖、不可侵の領域だという意味でもある。これまで、登場人物によってその名前だけが語られ、誰も見たことがない畏怖すべき未知の存在だったが、2013年の漫画連載再開以降、炎の女皇帝ナインがモナーク・セイクレッドを訪問するエピソードが描かれた(ファイブスター物語13巻に収録)。ナインが訪れたとき、モナーク・セイクレッドの記録作業を行っていたファティマ、光のタイ・フォンがナインにモナーク・セイクレッドについての説明を行う。ここが時間が停止した場所であること。星団最強の兵器バスターランチャーでも破壊出来ないこと。タイ・フォンの役目が「モナークへの到達」「そしてそのデータの吸収」であることをナインは告げられる。しかしその直後にタイ・フォンはナインのファティマとなること(ナインに仕えるという意味だ)、そしてモナーク・セイクレッドから離れることを決断する。この時点でタイ・フォンはモナーク・セイクレッドの調査を終了していた。ここまで書いてみても、全く意味不明だろう。なにせ、モナーク・セイクレッドについて、これ以上の説明が、なされていないからだ。ファイブスター物語のデザイン画集「デザインズ5リッターピクト」に書かれた情報によると、ミラージュ騎士のログナーとは元々はモナーク・セイクレッドがこの世界に送り込んだ「戦士」なのだという。しかし、モナーク・セイクレッドが何者かによって支配されている組織のようなものなのか、言い換えれば、モナーク・セイクレッドそのものが何らかの意思を持つ存在なのかについて、作者の永野護は明白に語っていない。手がかりは、この漫画の年表の冒頭、モナーク紀の項目に「モナーク・セイクレッドの時代。モナークという言葉だけが伝えられる」と書かれていることだろう。漫画の舞台となるジョーカー太陽星団に戦闘ロボットが誕生するより遥か以前、何千年、いや、何万年もの昔から、モナーク・セイクレッドは存在していたと伝えられている。
 この漫画については、実際に読んでも分からないことが多過ぎるので、これ以上の解説は行わない。

 ぼくが名付けた「モニ・セイクレッド」とは、このモナーク・セイクレッドから引用した。「モニ」とはモーニング娘。のことだ。過去にはプッチモニやミニモニなど、○○モニと名づけられたグループが存在していた。そして、ぼくは古いハロプロファンなので、モーニング娘。の名前がハロプロを代表し、ハロプロそのものを指す言葉でもあったことを覚えている。なぜ、わざわざこのようなことを書くのかと言うと、2015年からハロプロの筆頭グループは℃-uteとなっているからだ。
 とにかく、単なる洒落でそう名付けた。なお、まとめ専用のツイッターアカウント(https://twitter.com/optical723)は、ファティマ、光のタイ・フォン(Optical TY-PHON)からの引用となっている。このアカウントでハロプロまとめを再開する前に、安倍なつみニュース配信アカウントとして使っていたことがあり、723とは安倍のことを指す。彼女が「光へ」というアルバムをリリースした時期だったので、すなわちoptical723だったのだ。
 「モニ・セイクレッド」とは、モナーク・セイクレッドと同様、記録システムだ。ハロプロの全てが記録されたデータベースを指す。これまでのハロプロについての全ての歴史は、すでに電子データ化されている。それらは編集されていないだけで、記述だけは今でも続けられてている。それらの記述の総体が、数百年後に「モニ・セイクレッド」と呼ばれる。
 もちろん、そんなものは存在しない。誰も「モニ・セイクレッド」の入口、ホームページを見たことがない。
 ぼくは、モニ・セイクレッドの名でハロプロまとめを作成している。それは、この世界のどこかに「モニ・セイクレッド」が存在していると仮定しているからだ。

 「モニ・セイクレッド」とは、どこにあるのか?

 「モニ・セイクレッド」は、例えば、ハロプロの全てのCDやDVDや写真集を集めても完成しない。あるハロプロメンバーがいつどこでいかなる発言をして、後にその発言が、どの出来事と繋がっているのか。そのような細かい情報の集合体が「モニ・セイクレッド」だ。
 「モニ・セイクレッド」には、ハロプロの全てが記録されている。グーグルのサーバーのようなものを想像できるのだが、実体として存在しているかは不明だ。モニ・セイクレッドとはハロヲタの集合体でもあるのだが、それ自体に意思があるのかも不明である。具体的に説明すると、別冊宝島モーニング娘。バイブルの2冊が、書物「モニ・セイクレッド」として具体的に示された形態だ。
 CDやDVDなどの、公式の記録だけではハロプロを語れない。それらはハロプロの基礎となっている。しかし、それらは同時に殻のようなものでもある。公式に記録されていない、膨大な記録がある。
 結論から書くと、ファンがウェブに書き残している無数の言葉、参加したコンサートやイベントでの目撃情報、そして体験談などのような、人々の思いや願いまで、それら全てが「モニ・セイクレッド」に記録され続けている。
 テキストサイトの時代。テキサイという言葉だけが伝えられる。
 ヲタ芸
 いわゆるヲタ用語。
 様々な名で語られてきた、歴史。

 ところで、ぼくがハロプロファンになったきっかけは安倍なつみだった。あの頃、モーニング娘。は毎日のようにテレビに出ていたし、だから当然のように彼女の名前は知っていた。当時のぼくは深夜の仕事で、運転しながらラジオを聞くことが多かった。だから、彼女のラジオ番組、スーパーモーニングライダーを聴いていたことが、ぼくにとっての入口だったはず。そして、その年の夏に見た24時間テレビの手話LOVEマシーンが決め手となったのかもしれない。
 当時、ウェブでハロプロについて探してみると、様々な言葉があった。モーニング娘。についてハロプロについて、多くの識者(ここでは当時のモーニング娘。ファン、通称モーヲタのことを指す)によって膨大に語られていた。その集合体をぼくは後に「モニ・セイクレッド」と名付けた。それはハロプロの全てを記録するシステムだから、「モニ・セイクレッド」には、例えばモーヲタテキサイの全てが記録されている。しかし現在ではテキサイという言葉のみが伝えられている。「モニ・セイクレッド」の閲覧者はいまだにいない。時間が停止した「モニ・セイクレッド」には、すでにハロプロの誕生から終焉までの全てが記録されている。いわゆるトップヲタが手中に収めたいと願うもの、それが「モニ・セイクレッド」だ。
 全てのハロヲタは、そうとは知らずに「モニ・セイクレッド」と契約している。いち推しを誰か一人に決める、安倍なつみ飯田圭織かを選択することを自らに課したぼくは、なっち、安倍なつみを選び、ぼくはそのとき、「モニ・セイクレッド」との契約を意識した。モーヲタになることを自覚すると言うことは、その見えない何かを意識しなければならない。元々はエヴァンゲリオンアキハバラ電脳組などのアニメを好んで見ていた自分にとって、モーヲタ共同体は別世界に映ったのだ。だからぼくは、契約を意識したのだ。そしてぼくは、その共同体を「モニ・セイクレッド」と命名した。

 ハロプロについての膨大な記述はインターネットに残されている。それら全てをまとめれば、「モニ・セイクレッド」は完成する。しかし、その記述は膨大だから、個人で完成させることは不可能だ。なぜ出来ないのか。それは、ウェブのどこにどのような記録が残されているのか、分からないからだ。だから、出来る範囲で記録しておこう。そして、「モニ・セイクレッド」を完成させるのは後世に任せよう。そのような思いもある。
 現時点で分かっていること。「不可侵のハロー!プロジェクト」を意味する「モニ・セイクレッド」とは、ファンの信頼によって成立している。実体が存在するかどうか不明なのは、そのためだ。モニ・セイクレッドとは、全てのハロプロファンが望む究極のデータベースだ。全てのハロプロファンが読むべき書物。全てのハロプロファンがデータ作成に参加している。そのような、ハロプロとファンが一体化した壮大な物語。
 おそらく、ハロプロを知らない百年後にはモニという言葉だけが残る。だから「モニ・セイクレッド」と呼ばれる。
 ぼくは、ハロプロツイッターまとめを作成している。それをモニ・セイクレッドと名づけたのは、希望を込めてそうしたということだ。

 ここまで書いてみたが、この「モニ・セイクレッド」には別の物語展開も想像出来る。かつて「モニ・セイクレッド」が正常に機能しなかった時期があった。全てのマスコミがハロプロについて報道しなくなった。アイドルの歴史からハロプロが抹消された。ハロプロが存在しないことになっていた、我々はパラレル世界に落とされた。ある研究機関の人物が、もはや使われなくなった太古のコンピューター、タイピングオペレーションシステムから「モニ・セイクレッド」の存在を確認し、リブートした。ハロプロが存在する現在の世界を取り戻した。
 そして、未来、「モニ・セイクレッド」から開放された世界をハロプロファンが選択するのかもしれない。
 それは誰にも分からない。

神々に干渉することもなく、またいかなる神々からも干渉されることのない人類の生命としての意志である。存在こそが全て。
あなたは生きている。生きていることがあなたが生まれ、存在している証なのである。
モニ・セイクレッドは主張し続ける。


 ※トップ画像は本文とは関係ありません


福田花音卒業レポを書かずにマイベストエントリー

今週のお題「マイベストエントリー」

 何かについてウェブで調べていて、たまたま読んだブログが資料的価値はあるけれど書き手の個人的な思い入れが邪魔な「おまけ」となるときがある。もちろん、ぼくのブログにもそういう記述はある。そのようななかで今年のベストエントリーを選ぶとすれば…

 ぼくはツイッターもやっているし(https://twitter.com/moeginoハロプロファンだから、覚えていることを書いてみた。それだけのエントリー。これが今年のぼくのはてなブログのなかで最もはてなブックマークが多かった。だから、これだろうなと。このエントリーには必要なことしか書いていないから、ハロプロアップフロントツイッターについて知らない人が読んで、まあそれなりに役立ったのかもしれない。
 どういうわけかハロプロメンバー個人のツイッターアカウントは、ない。かつてスマイレージのメンバー4名それぞれに与えられた個人名のアカウントは休止状態だった。ところが、先月アンジュルムそしてハロプロから卒業した福田花音は、卒業コンサートの翌日からツイッターを始めた。ぼくは武道館で行われた彼女の卒業コンサートの帰りのバスのなかで(東京→福島)それを確認した。なぜかぼくは福田のアカウントをフォローしていた。新しく始めたのになぜフォローしているのか。それは、かつてあったスマイレージ時代の福田花音アカウントだったからだ。



 スマイレージより前から福田はパソコンやウェブに詳しい人物だった。グループがアンジュルムに改名してからは、ユーチューバーになりたいなどのようなギーグな発言(?)が多かった。そしてハロプロを卒業した翌日から福田は手当たり次第に他社のアイドルタレントのアカウントをフォローして、積極的にリプライしている。なるほど、福田らしいなと思った。おしまい。
 コンサートのレポを書こうと思って忘れていた。来年になるかもしれない。

お知らせ

 2015年のハロプロも色々ありましたが、特に印象的だった、つんく佐藤優樹のエピソードを簡単にまとめた新刊を出しました。下記リンクをよろしくです。通販もあります。

 これまで出した個人誌は以下をご覧ください。ハロプロ以外にも、ファイブスター物語エヴァンゲリオンについて書いた個人誌もありますので(これらも通販あり)、よろしくです。




 ところで、なんでこの画像、顔が映ってないのだ?

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ハロプロ楽曲大賞もえぎの投票内容

 年末恒例のハロプロファン有志のイベント、今年もエントリーしてみました。なお、今年から「楽曲大賞投票サイト」へのユーザ登録が必須となりました。

第14回ハロプロ楽曲大賞'15
http://www.esrp2.jp/hpma/2015/
楽曲大賞投票サイト
https://tonkotsu-music-award.ssl-lolipop.jp/

 では、自分のエントリー内容を。

楽曲部門

1. 大器晩成


 イントロから強烈なインパクトを感じる、ファンキーなナンバー。スマイレージから心機一転、アンジュルムと改名した彼女たちの再出発を成功させた。コンサートなどの映像を見てみると室田瑞希の熱唱→佐々木莉佳子のジャンプで盛り上がりが最高潮に達する。作詞作曲は中島卓偉。元々は卓偉のアルバムの曲だったがアンジュルムの一発目にふさわしいということで急遽リアレンジされた。その楽曲制作の過程はYouTube番組「MUSIC+」にて確認することが出来る。編曲を行う鈴木俊介のギター演奏などのレコーディング風景、普段ファンが見ることのないトラックダウンの様子など、見所が満載。それら一連のドキュメントすべてに関わる、レーベルマネージャー橋本慎の仕事ぶりが熱い。2015年に入って、つんくハロプロから離れたことで、ぼくは楽曲に対して語ることを止めようと考えたこともあったが(そもそもぼくは楽曲について書くのはこのハロプロ楽曲大賞へのエントリーだけなのだが)、正直、この曲があったからこそつんく不在の一年を乗り切ることが出来た。CDに収録されたカラオケバージョンを含めて、今年、一番聴いた曲。ハロプロファンのみならず、すべての音楽ファンにお勧めしたい。

2. 夕暮れは雨上がり


 今年、つんくハロプロに提供したモーニング娘。の楽曲はどれも素晴らしく、どれを選ぶか迷う。だから、好きなイントロで選んだ。鈴木俊介編曲。

3. ドスコイ! ケンキョにダイタン


 ギターに和太鼓の組み合わせが面白い。カラオケだけ聴くと重低音が響くへヴィでメタルな印象なのだが、ボーカルが乗るとハロプロ楽曲になる不思議。この曲を作った星部ショウは正体不明の人物。

4. ラーメン大好き小泉さんの唄


 元々はシャ乱Qの楽曲として有名な『ラーメン大好き小池さんの唄』。こぶしファクトリーに与えられたトラックも原曲同様、ソウルフルで勢いがある。ダンス☆マンのいい仕事。

5. 風を感じて


 なっちとうとう結婚するのか、愛する男を故郷の室蘭へと連れて帰ってきたのかと思わせる曲だけど、実際はどうなのか? 楽曲の仕上がりは最近の安倍なつみらしく、上質なポップソングだ。

MV部門

1. 夕暮れは雨上がり


 冒頭とラスト、佐藤優樹のエアピアノに象徴される、しなやかで美しいMV。ところで、このMVに映っている、工藤遥よりもさらに短いショートカットの女性。モーニング娘。のメンバーではない謎の人物なのだが、彼女の存在感が普通じゃない。

2. 青春小僧が泣いている (Another Ver.)


 舞い上がる制服。障子を破る。これまでのモーニング娘。のMVにはないエロティック。それはアニメの少女革命ウテナピングドラムに似たものだったのかも知れない。それを差し引いても、彼女たちが制服を着て踊ることが珍しい。

3. イマココカラ


 劇場版プリキュアとのコラボMV。かつて後藤真希田中れいなセーラームーンに憧れたように、現在のモーニング娘。メンバーはプリキュアに憧れた世代だ。彼女たちにとっても嬉しいことだろう。

推しメン部門

安倍なつみ

 ハロプロ卒業メンバーの中で歌手活動を続けている数少ない人物。今年の主な活動はコンサート。ミュージカルのような歌唱もあればポップソングも歌う。あまり後輩にコミットすることはないがアンジュルム福田花音の卒業時には自らのラジオ番組にゲストとして招いた。安倍のラジオ番組は基本的にゲストを呼ばない。また、安倍自身は里山イベントのようなアップフロント総出演のイベントに出席することがほとんどない。おそらく、例えば中澤裕子のように、直接後輩と絡んでいなくともその存在が伝えられているようなことはない。安倍なつみを知らない、彼女のパフォーマンスを見たことのないハロプロメンバーは少なくないかもしれない。そうであったとしても、ハロプロにとってのリビングレジェンドとして、歌手活動という将来の選択があるのだということを、安倍は後輩に示している。そうであって欲しい。ぼく個人としては彼女のコンサートへ行くことはなくなり、ファン活動は皆無だが、ラジオを毎週聴いている。ぼくにとっての安倍なつみはラジオの人だ。日曜の夜のラジオだけは彼女と会える場所なのだ。今はそれでいい。

お知らせ

 2015年のハロプロも色々ありましたが、特に印象的だった、つんく佐藤優樹のエピソードを簡単にまとめた新刊を出しました。下記リンクをよろしくです。通販もあります。

 これまで出した個人誌は以下をご覧ください。

関連Togetter

新刊「Rose Petals」初頒布11/23文学フリマ #佐藤優樹 #つんく #hps_jp #bunfree

 11月23日、文学フリマにて新刊を頒布します。

 この本はエピソードガイドだ。つんくが命を懸けて作り上げたモーニング娘。誕生の経緯。声を失ったつんくが何を考えていたのか。そして、今後のモーニング娘。にとっての最重要人物である佐藤優樹の思い。これらのエピソードを簡単にまとめた。壮大なハロー!プロジェクト物語の、ごく一部分でしかないが、今、最も知るべきことだ。
 今回、「ぼくはこう思う」という書き方を一切しなかった。モーニング娘。が好きで、ハロプロが好きな自分が、今後、何を伝えられるのだろうかと、ずっと考えていた。その答えのひとつだ。
 ぼくの友人に宛てたメッセージ。モーニング娘。といえば安倍なつみだろうという世代に向けて、現在のモーニング娘。がどうなっているか、いちいち説明はしないけれど、つんくハロプロのプロデュースから離れたことや、佐藤優樹という面白い子がいることを、伝えておきたい。そのような気持ちで書いた。
(あとがきより)

 ということで、最近のブログ記事を再構成した本です。細かい修正や全体的な見直しを行いました。通して読むと新たな発見があると思います。書き下ろしの文章もあります。モーニング娘。ファンやハロプロファンに読んで欲しいのはもちろんなのですが、当日は埼玉(モラージュ菖蒲)で里山イベントが開催されていますので、無理して来いとは言いません。むしろ、ハロプロファン以外の方々に是非とも読んで頂きたいです。立ち読みコーナーがあるので読むだけなら無料です。よろしくです。


書名「Rose Petals」
コピー誌
ハッシュタグ #hps_jp
20ページ
100円


※上記ブログエントリーに参考文献リンクあり(冊子未掲載)

 頒布サークルは「はなごよみ」。ぼくも参加します。当日はぼくの既刊も頒布。詳しくは下記の「はなごよみ」公式ブログまたはitem カテゴリーの記事一覧 - 萌えぎのエレン同人誌infoをご覧ください。

第二十一回文学フリマ東京
http://bunfree.net/
http://bunfree.net/?tokyo_bun21(会場内マップあり)
https://c.bunfree.net/c/tokyo21
日時:11/23 11:00~17:00
会場:東京流通センター 第二展示場
サークル名:はなごよみ
配置番号:キ-04

 正かなの本も多数取り揃えていますので、そちらもよろしくです。先日行われた文字フリマ(もじふりま)にて好評だった新刊「旧字旧かなの本は作れるのです!」も頒布します。

レポート



 ということで、レポートを追記しようと思ったのですが、当日ぼくの具合が良くなかったので、あまり書くことがない。具合が悪いというのはいつものことで、文学フリマのようなイベントに参加するときにハイになっていたのが、今回はどういうわけか「普段通り」だったっていうことなんですが。
 グダさんのガンダム本は相変わらず人気。「はなごよみ」の場所がいわゆる壁サークルだったので居心地が良かったこと。午後になってすぐ近くのサークルに東浩紀と娘さんが来ていて、その娘さんがずっと何かおしゃべりしていたこと。斧屋さんと久しぶりに世間話をしたこと。せきねさんと今後のアイドル同人誌界隈についてちょっとした話をしたこと。文学フリマのおかげで会場にWi-Fiが常設されていたこと。それと、ぼくが遊びに行っているときにぼくの個人誌が売れたこと。御礼を言いたかったこと。それくらいしか覚えていません。


 文学フリマが終わって、原宿のさゆロス展に行ってきたのですが、女の子の部屋に入ってしまった、そこが男子禁制のように感じてしまって、逃げるようにその展示室から出てしまった。

 写真撮影OKだったのですが、外から覗き見るような写真しか撮れなかった。

 同行した押井さんは少女の感性を持っているので、楽しんだようでした。

佐藤優樹と薔薇の花 #hps_jp

 オーディションでつんくが「フォトジェニック賞をあげたい」と評価したモーニング娘。の10期メンバー、「まーちゃん」こと佐藤優樹は、つんくが言う通りの美少女である一方で、事あるごとに「鬼ごっこがしたい」と答えるような子供っぽいキャラクターだ。そして、常日頃から何を言っているのかよく分からないことで知られている。それは、他人にとって分かりづらい例えを用いたり、彼女独自の言葉を使うからだ。緊張することを「緊張がポクポクする」、先輩である道重さゆみ田中れいなのことを「みにしげさん」「たなさたん」と呼ぶ。これらは彼女の不思議な発言のごく一部で、挙げればきりがない。また、たまに自分の名前が書けなくなることもあるという、自由という枠に収まらない奔放さ。ファンにとってそれらは「まーちゃん頭大丈夫か?」と心配するようなことでは、すでになくなっている。そういうキャラクターとして親しまれているということだ。
 なぜ彼女の日本語が怪しいのか。それは不明だ。幼少の頃に英語しか話していなかったという彼女の発言がある。だから、英語圏で生活していたという未確認情報もある。しかし、現在の彼女は英語を話すことは出来ない。ちなみに、北海道で育った彼女のイントネーションに、訛りはあまりない。まったくないわけではない。
 本題に入る。2015年4月6日に発売された雑誌『トップエール』5月号に、佐藤優樹のインタビュー「まーちゃんが見た新しい世界」が掲載された。ここで初めて語られた彼女の思いは、ファンに感銘を与えた。
 「みにしげさんがくれていたでっかい薔薇! それを私たちは一輪ずつ受け継いでいるんですね。その中で譜久村さんがその一輪を大切に抱えて、その赤い綺麗な薔薇に金の粉をかけて、そこから新しい薔薇を作って、そして私たちを包み込んでいく。その中で「今は私たちのモーニング娘。なんです。なんか文句ありますか?」っていう堂々とした感じ? そういうモーニング娘。'15を作っていきたいなと思っています、今は」
 「優樹の中で薔薇っていうのは、悪いものを消すためにあるんですね」
 「みにしげさんが残してくれた薔薇を枯らすのか? そのままにしておくのか? 何かを加えて新しいものを作るのか? それは全然違うと思うんですよ」
 佐藤優樹が、これからのモーニング娘。をこうして行きたいという、決意と受け取れる。しかし、雑誌掲載にあたって読みやすく修正されていると思われるが、抽象的で分かりづらい。
 彼女が言う薔薇とは何なのか。4月15日に公開されたBillboard JAPANの記事「モーニング娘。'15『青春小僧が泣いている/夕暮れは雨上がり/イマココカラ』インタビュー」*1では、より詳しく語っている。その記事は、佐藤と、彼女の後輩に当たる11期の小田さくら、12期メンバー2名(尾形春水と野中美希)、4名の対談だ。佐藤が「道重さんが卒業した後にメンバーが集まって話し合ったりすることもなく」と、自分たちがグループの今後について集まって「こういうモーニング娘。にしたい!」というような話をしたことがなかったことを振り返る。インタビュアーの「道重さゆみ卒業公演で一度完全燃焼してしまった印象もあったんですけど」という問いに佐藤と小田が頷き、佐藤が続ける。道重がリーダーだった頃のモーニング娘。は「家族」で、卒業後の現在は「良い仕事仲間」だと。続く彼女の発言を要約すると、現在のモーニング娘。は、9期、10期、11期、12期、それぞれがばらばらで、まとまっていない。道重はそれをまとめていたから、団結していたからグループが強かった。今のモーニング娘。は団結していないから弱い。だから、どうしたら皆がまとまるのかを、彼女は悩んでいる。
 道重や田中れいななどの先輩に対して、無邪気さをアピールして(何も考えていなかったのかもしれないが)仲良くなっていった佐藤優樹だが、後輩に対しては、どうやってフレンドリーに接していいのか、分からないとも答えている。しかし、先輩としてアドバイスを行っている。私はモーニング娘。だという自信を持って前に出ろ。私はスターなんだという気持ちでやって欲しい。
 そしてこのインタビューでも、薔薇の例えが出てくる。道重さゆみがメンバーそれぞれに薔薇を1本ずつ渡した。しかしそれを束にしなければいけない。まとまっていない今はただ風に吹かれているだけだと。
 4月16日、モーニング娘。メンバーが全国各地で握手会を開催していた。佐藤優樹は地元の北海道へ行った。筆者が作成したTogetter*2によると、何人かのファンが彼女に薔薇の話について聞き出していた。
 歌やダンスが上手くても、メンバーそれぞれの個性が際立っていなければ、モーニング娘。として輝くことはない。道重さゆみが残していった薔薇には、そのような思いが込められている。そして、薔薇には棘がある。金の粉をふりかけて、その棘を隠す。それもメンバーがやるべきことであるらしい。
 道重さゆみが卒業して、グループに変革が求められた。今回だけではなく、リーダーやエース級のメンバーが卒業するとき、このグループが直面してきたことだった。
 2014年、道重さゆみモーニング娘。を卒業すると発表されてから、さゆロス(道重さゆみがいなくなってしまう大きな失望感=ロス)という言葉がファンの間で話題となっていた。デビュー時から「今日も可愛い」と言い続けていた道重がリーダーとなり、後輩を溺愛するようになった。後輩を可愛いと公言し、隙あれば触りまくるさまは多くのファンから親しみを込めて「変態」と呼ばれた。気づいた時には最強のリーダーと呼ばれるようになった。道重がCMキャラクターを務めた吉野家の焼鳥つくね丼はファンから「さゆ丼」として親しまれた。道重は多くのファンに愛され、グループのイメージも(EDMサウンドやフォーメーションダンスのようなクールなパフォーマンスがまずあってのことだが)、道重に習うような、可愛くて愛されるグループとなっていた。そのようななかで、佐藤は道重に甘えてばかりだった。
 残されたメンバーにとっても、さゆロスは深刻だった。あの頃に比べて、グループが駄目になってはいないか。道重がいないモーニング娘。をファンは喜んでくれるだろうか。佐藤は、道重が卒業してからのモーニング娘。について、自分なりに考えていた。道重が卒業し、譜久村聖がリーダーとなったモーニング娘。が素晴らしいグループになるためには、メンバーそれぞれが道重が残していったモーニング娘。らしさを理解し、受け取り、その上で道重とは異なる方法で育てていかなければならない。グループがどう育っていくのかは自分たちの頑張り次第。薔薇とは、そのような例えだ。
 佐藤優樹は、何を考えているのか分からない、真剣にやっていないのではないかと思われるところがあった。しかし、しっかりした考えを持ってグループ活動に参加しているという自覚があることが、このインタビューを読めば分かるだろう。彼女の言葉は分かりづらいけれど、考えていること、思っていることを的確な言葉で伝えることが苦手なだけなのだ。薔薇のエピソードは、そんな彼女なりの答えだった。生き方を決めた者だけが言える、そのような覚悟が彼女の言葉にはある。それが具体的でないのは、彼女にとって、それ以上の的確な言い回しが必要ないからだ。
 佐藤優樹が天才と呼ばれるのは、奇妙な言い回しの奥にある発言の真意が、誰にも言い当てることが出来ない真実であるからだ。これからは、その真実を広く伝えて行かなければならない。もちろん、言うだけではなく行動で示すこと。彼女に課せられた責務は決して軽くない。しかし、すでに彼女は、その重大さを承知しているはずだ。
 困ったことに、彼女のブログを読んでみても、そのような思いは、まったく伝わってこない。おそらく、それらは暗号で書いてあるのだ。

お知らせ

 このブログ内容を掲載した同人誌「Rose Petals #hps_jp」を出しました。下記リンク参照のこと、よろしくです。通販あります。

 これまで出した個人誌は以下をご覧ください。