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萌えぎのエレンのメインブログです

キャラクター・パワー・バランス

 月刊ニュータイプにて連載中のファイブスター物語のエピソード、運命のラキシス7444は、神レベルの者たちの戦いだ。敵は、常識では考えられない超常の力を持つ。倒しても、さらに強い奴が出てくる。

 上記ブログの続きですが、今回はちょっと脱線しますね。
 ミラージュ騎士団が使用する天照帝設計のGTMは通称ミラージュマシンと呼ばれる。形式ごとに例えばB型ミラージュなどのような呼び方もされる。と言ってもミラージュ騎士団は基本的に忍者のようなもので、要するに隠密行動なので表に出ることがなく、よって、星団3大GTMのような有名なマシンはない。知られていないからだ。なお、B型ミラージュとはZAPのことである*1ミラージュ騎士団の主力GTMはG型のグリット・ブリンガーとなっている。ZAPは殲滅を目的とした特殊なロボットなので、滅多に使われることはない。

F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 単行本
 デザインズ4によると、天照帝設計のGTMは超帝國時代のGTMを超える、とある。天照帝は多くのミラージュマシンを設計してきたが、ここでの「超帝國時代のGTMを超える」GTMとは、マグナパレスやZAPを指すのだろう。ZAPは殲滅のために開発されたロボットであって、対GTM戦闘は殲滅作戦の邪魔をされないように行う「おまけ」でしかないからだ(邪魔されないように敵GTMは絶対に倒さなければならないので高性能であるということ)。そして、天照帝がラキシスのために作ったマグナパレスはZAPの雛形となったもので、他のGTMと異なり自己意志が強いなどの共通点が見られる。
 超帝國GTMは通常の星団暦GTMとは比較にならないほど強力なものであったとされている。この設定は「キャラクター・パワー・バランス」と呼ばれる一覧表にて先行公開されていた(2003年ニュータイプ連載時/リブート7に収録)。 補足しておくが、2003年の「キャラクター・パワー・バランス」公開時と異なり、当ブログエントリーでは、GTM変更後の新設定に習うかたちで記述する。
 連載中のラキシス7444を読んでいて思い出すのは、この「キャラクター・パワー・バランス」での順列だ。ファイブスター物語で強いと言われる、天位騎士や剣聖よりもさらに強い者たちの順位が公開された。「スバースより上ははっきり言って意味がない」との但し書きがある。剣聖スバースより上には、カレン、ユライヒ、スペクター、セントリー、ログナー、オーバーロード、ZAP、サタン、超帝國GTMシュッツィェン、ナイン、マキシ、超帝國7剣聖などの名が並んでいる。このなかに、今回のラキシス7444に登場する主なキャラクターが多く見られる。
 この「キャラクター・パワー・バランス」の公開時、騎士とロボットが同列に比較されていることが驚きだった。ログナーがZAPよりも強いとはどういうことなのか?
F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict

F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2016/02/22
  • メディア: 単行本
 デザインズ5のログナーの項目には「彼が戦うのはこの世の者ではない者たちである」と書かれている。同じくデザインズ5のマドラの項目には「剣聖は人間と戦うことを想定していない。GTMや「あれ」と戦うための力を炎の女皇帝が作り上げたと言っても過言ではない」とある。剣聖のGTMとの戦闘。ここでは、GTM同士の戦闘を意味しないと考えられる。なぜなら、マドラは元々は「GTMを素手で破壊する」超帝國7剣聖のひとりであるからだ。先代のログナーは彼ら超帝國7剣聖の指揮官であったとのことで、彼らと同じ、またはそれ以上の腕を持つ。なお、現在のログナーも(いわゆるクローン人間なので)同等の力を持つ。つまり、ログナー(歴代全て)はGTMに乗らずともGTMを破壊することができるということだ。
 強さの基準にまずGTMがあって、それ以上の者たちが存在するということ。
 ファイブスター物語にて何度も予告されてきた「この世の者ではない者たち」との戦い。それが、今後訪れる3225年でのスタント遊星攻防戦であり、連載中のラキシス7444だ。このラキシス7444にログナーは参戦していないが、「キャラクター・パワー・バランス」で永野護が言う「はっきり言って意味がない」とは、このラキシス7444での戦いを指すものだった。スバースより上の者たちの強さとは、通常の、星団暦においてのGTM同士の戦闘には必要のないものだったのだ。
 GTMを倒すことが出来るのはGTMだけ。だから、ジョーカー太陽星団では、主要国家、列強のGTM軍隊である騎士団が存在し、国盗り合戦を繰り広げている。それがファイブスター物語だ。
 しかし、星団国家の争いとは関係ないところで、人知を超えたレベルの者たちが存在する。だから彼らは、騎士を含めたジョーカー太陽星団の民に手を下すことはない。今回は、ショウメという人類より上の存在を狙う。そして、ラキシスを狙う。はなから、人類を相手にしていないのだ。
 しかし、面白いのは、作者の永野護が、ショウメを含むセントリーよりも遥かに上位の強さを誇るラキシスは、神ではなく「人を含む世界で生まれた全てのものの意思」と明言していることだろう。
 なお、このラキシス7444には、「五つの星の物語」エピソード(1990年~1991年)にて語られたタイカ宇宙のキャラクターが久々に登場した。


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当ブログ作者プロフィール

*1:ZAPとは、かつてレッド・ミラージュと呼ばれた、最強のスーパーロボットツァラトゥストラ・アプターブリンガー・パンツァーカンプフロボーター」である。