もえぎのhtnb

萌えぎのエレンのメインブログです

カレンは干渉する

 あの懐園剣ってやつは、敵味方関係なく、そのとき必要な人物のところに行くのだろう。ファイブスター物語では「互角の戦い」という不文律がある。そう感じた。センタイマのもとに懐園剣(雌剣)が来たのは、直後にマキシが出現して懐園剣(雄剣)を持つと分かっていたからなのだろうと、ぼくは感じた。互角となる戦いしか描かないのがファイブスター物語だ。
 以下、このブログは9月10日発売の月刊ニュータイプ2020年10月号に掲載されたファイブスター物語のネタバレを含みますので、よろしくです。

 上記ブログの続き。
 連載中のエピソード、ラキシス7444はいよいよ最終戦。マキシとセンタイマの決闘はマキシの勝利。だったはずなんですが、ぶった斬られたセンタイマは捨て台詞を残して異世界に帰ってしまいました。ええ、傷も治ってます。帰る前に彼は、手下が殺したマドラたちラキシスの下僕を元に戻していきました。天照帝がカイエンを元に戻したように。
 元々はラキシスを狙ってやって来たセンタイマ。だけど、マキシとセンタイマの決闘は「試合」のようなものだったのか。どうせ元に戻すのだった。滅ぼすつもりなんてなかった。始めからそのつもりで行われた「手合い」のようなものだったのだろうか。なんてことを考えていた。

 ところが、彼らが帰ってから、カレンがとんでもないことを言い始めた。

 ここで、カレンについて、これまでにぼくが覚えていることを並べてみる。
 星団暦7777年に誕生する、天照帝とラキシスの娘であるカレンは、全能神であり、時空を飛び越えて出現することが(作者の永野護によるデザインズなどでの解説文にて)知られている。かつては「超人類」とも称された*1全能神。天照帝がラキシスのために建造したロボット、マグナパレスをタイカ宇宙に持っていってしまう。一方で、物語本編に登場することが、これまでにほとんどなく、だから、ぼくにとっては、伝説上の存在でしかなかった。ファイブスター物語が年表通りに進んでいくとして、漫画連載でどこまで描けるのかが不明であり、年表の最後に書かれているカレンの活躍を見ることは無いだろうと、ぼくは考えていた。
 過去や未来のエピソードが予告なく割り込んでくるファイブスター物語だが、メインとなる物語は時系列に進んでいて、現時点では星団暦3037年。だから、7777年に誕生したカレンが、メインとなる物語に出てくるときは例外なく「飛び越えて」来ている。初めてカレンが物語に登場したのが、ファイブスター物語の主な舞台であるジョーカー太陽星団とは全く別のタイカ宇宙を含めた、時空を超えたエピソードである「五つの星の物語」だったので(しかもそのときのカレンは「顔出し」程度)、今回のラキシス7444が、カレンが本格的に物語に関わり出したエピソードなのだろう。
 カレンが時空を超えて出現することを作者は何度か予告していて、「五つの星の物語」以外でも、過去に、浮遊城でラキシスが危機に陥ったときに助けに来たこともあった。
 これまでの作者の解説文によると、全能神であるカレンは、過去(カレンが誕生した7777年より前)のジョーカー太陽星団に出現して、色々とやらかしている。親にも手に負えない、おてんば娘であるらしい。そもそも、天照帝とラキシス、あの二人の子であるのだから、普通じゃない、とんでもない人物であるらしいことは、何となく想像出来た。しかし、それは、想像でしかなかった。想像を上回ること。カレンが本格的に物語に出てくると、どういうことになるのか?

 モーターヘッドに飽きた作者が、登場するロボットをGTM(ゴティックメード)に変更した。このことについては以前ブログに書いた。

 今後、モーターヘッドファイブスター物語に出てくることは無い。ぼくはそう断言した。
 もはやファイブスター物語の世界は作者によってGTMに変えられたので、それは普遍となり、物語の登場人物がそのことに気づくことはない。ぼくはそう考えてきた。しかし…
 今月号のカレンの台詞によると、クラスファー*2とカレンが、ファイブスター物語の世界をモーターヘッドからGTMに変えてしまった。
 モーターヘッドをGTMに変えたことが、「ファイブスター物語の登場人物である」カレンによって語られたのだ!
 この「事実」を知るのは、そこに居たカレン、シルヴィス、マキシ。ジョーカー太陽星団の人類よりも上の、神々の世界の者たちだ。続けてカレンは、GTMに変更したはずなのにモーターヘッドのことを覚えている人物が一人いることを危惧しており、今回の騒動(ラキシス7444エピソードでの異世界との戦い)のついでに、それを修正してしまおうかと考えたが、シルヴィスやマキシに止められた。

 毎月アップされているファンのブログを読んでみると、みなさん、これまでの出来事をちゃんと覚えていらっしゃる。すごいなあと思いました。今月号でカレンが言っていた最重要発言について、それが誰を指すのか、ぼくはさっぱり分からなかったので、彼らのブログを是非ともご覧ください。

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 ところで、ファンの間では、以前から、GTMへの変更はカレンのいたずらだと繰り返されていた。すなわちそれは、ネタのようなものだった。ぼくはそう考えていた。

 いや、待てよ、それは本当のことか?

 ぼくが思い出したのは、デザインズ1にある、過去のミラージュマシンの型番(G型やH型など)をカレンが勝手に変更して、そのことを父親である天照帝に後からバレて怒られたという記述だ。しかしそれは、物語の台詞としては出てこなかったはずだし、これを知った当時ぼくは、それほど重要なことではないと思っていた。ミラージュマシンの件についてはデザインズ6にて再度解説され、そこでカレンの名は出ていなかったはずだから、デザインズ1の記述については、作者が、自分がやったことをカレンの仕業にするという、冗談だと思っていた。ところが今月号では、GTMへの設定変更そのものを「ファイブスター物語での出来事」としてカレン自身が言及した。
 GTMへの変更に伴って色々と不具合が発生してきて、その度に作者は新たな設定を追加、または改変してきた。カレンはそのことについて、それとなく言っただけ。そういう見方も出来るだろうか?
 GTMへの変更は、登場人物は知らないことであるはずだった。作者がやったことやその理由を漫画の登場人物が知るわけがない。ぼくはそう考えていた。しかし、作者や読者しか知らないはずの出来事を、ファイブスター物語の神々は知っていた。
 言い換えれば、登場人物には「秘密で」行われた、作者と読者しか知らないと考えられてきた、設定変更そのものを、物語のなかに引っ張り込んできたのだ。
 漫画として描かれたファイブスター物語が三次元の世界だとすれば、ぼくら読者は四次元の存在だ。作者は以前、そのようなことを言っていたような気がする。カレンの言葉を聞いて、そのことを思い出した。カレンはファイブスター物語の世界では高次元に位置するからだ。高次元にいるのであれば、作者や読者と同じ立場となるのだから。
 設定変更はファイブスター物語の登場人物は知らないことであるはず。しかし、それはぼくの勝手な思い込みだったのだ。そのことに、ぼくは驚いたんだ。
 今のぼくには、これ以上のことは考えられないし、何も書けない。

 カレンは、ファイブスター物語そのものに干渉する。

 あ、ここまでラキシスについて何も書いていませんでしたね。ラキシスは途中から寝てたんで仕方ないっす。連載中のラキシス7444は来月に完結するらしいので、何かあればと期待してます。


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当ブログ作者プロフィール

*1:初期のファイブスター物語年表ではカレンを「超人類」と記述していた

*2:ファイブスター物語における最高位存在アマテラス/天照帝との関連は不明/月刊ニュータイプ2020年6月号

キャラクター・パワー・バランス

 月刊ニュータイプにて連載中のファイブスター物語のエピソード、運命のラキシス7444は、神レベルの者たちの戦いだ。敵は、常識では考えられない超常の力を持つ。倒しても、さらに強い奴が出てくる。

 上記ブログの続きですが、今回はちょっと脱線しますね。
 ミラージュ騎士団が使用する天照帝設計のGTMは通称ミラージュマシンと呼ばれる。形式ごとに例えばB型ミラージュなどのような呼び方もされる。と言ってもミラージュ騎士団は基本的に忍者のようなもので、要するに隠密行動なので表に出ることがなく、よって、星団3大GTMのような有名なマシンはない。知られていないからだ。なお、B型ミラージュとはZAPのことである*1ミラージュ騎士団の主力GTMはG型のグリット・ブリンガーとなっている。ZAPは殲滅を目的とした特殊なロボットなので、滅多に使われることはない。

F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 単行本
 デザインズ4によると、天照帝設計のGTMは超帝國時代のGTMを超える、とある。天照帝は多くのミラージュマシンを設計してきたが、ここでの「超帝國時代のGTMを超える」GTMとは、マグナパレスやZAPを指すのだろう。ZAPは殲滅のために開発されたロボットであって、対GTM戦闘は殲滅作戦の邪魔をされないように行う「おまけ」でしかないからだ(邪魔されないように敵GTMは絶対に倒さなければならないので高性能であるということ)。そして、天照帝がラキシスのために作ったマグナパレスはZAPの雛形となったもので、他のGTMと異なり自己意志が強いなどの共通点が見られる。
 超帝國GTMは通常の星団暦GTMとは比較にならないほど強力なものであったとされている。この設定は「キャラクター・パワー・バランス」と呼ばれる一覧表にて先行公開されていた(2003年ニュータイプ連載時/リブート7に収録)。 補足しておくが、2003年の「キャラクター・パワー・バランス」公開時と異なり、当ブログエントリーでは、GTM変更後の新設定に習うかたちで記述する。
 連載中のラキシス7444を読んでいて思い出すのは、この「キャラクター・パワー・バランス」での順列だ。ファイブスター物語で強いと言われる、天位騎士や剣聖よりもさらに強い者たちの順位が公開された。「スバースより上ははっきり言って意味がない」との但し書きがある。剣聖スバースより上には、カレン、ユライヒ、スペクター、セントリー、ログナー、オーバーロード、ZAP、サタン、超帝國GTMシュッツィェン、ナイン、マキシ、超帝國7剣聖などの名が並んでいる。このなかに、今回のラキシス7444に登場する主なキャラクターが多く見られる。
 この「キャラクター・パワー・バランス」の公開時、騎士とロボットが同列に比較されていることが驚きだった。ログナーがZAPよりも強いとはどういうことなのか?
F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict

F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2016/02/22
  • メディア: 単行本
 デザインズ5のログナーの項目には「彼が戦うのはこの世の者ではない者たちである」と書かれている。同じくデザインズ5のマドラの項目には「剣聖は人間と戦うことを想定していない。GTMや「あれ」と戦うための力を炎の女皇帝が作り上げたと言っても過言ではない」とある。剣聖のGTMとの戦闘。ここでは、GTM同士の戦闘を意味しないと考えられる。なぜなら、マドラは元々は「GTMを素手で破壊する」超帝國7剣聖のひとりであるからだ。先代のログナーは彼ら超帝國7剣聖の指揮官であったとのことで、彼らと同じ、またはそれ以上の腕を持つ。なお、現在のログナーも(いわゆるクローン人間なので)同等の力を持つ。つまり、ログナー(歴代全て)はGTMに乗らずともGTMを破壊することができるということだ。
 強さの基準にまずGTMがあって、それ以上の者たちが存在するということ。
 ファイブスター物語にて何度も予告されてきた「この世の者ではない者たち」との戦い。それが、今後訪れる3225年でのスタント遊星攻防戦であり、連載中のラキシス7444だ。このラキシス7444にログナーは参戦していないが、「キャラクター・パワー・バランス」で永野護が言う「はっきり言って意味がない」とは、このラキシス7444での戦いを指すものだった。スバースより上の者たちの強さとは、通常の、星団暦においてのGTM同士の戦闘には必要のないものだったのだ。
 GTMを倒すことが出来るのはGTMだけ。だから、ジョーカー太陽星団では、主要国家、列強のGTM軍隊である騎士団が存在し、国盗り合戦を繰り広げている。それがファイブスター物語だ。
 しかし、星団国家の争いとは関係ないところで、人知を超えたレベルの者たちが存在する。だから彼らは、騎士を含めたジョーカー太陽星団の民に手を下すことはない。今回は、ショウメという人類より上の存在を狙う。そして、ラキシスを狙う。はなから、人類を相手にしていないのだ。
 しかし、面白いのは、作者の永野護が、ショウメを含むセントリーよりも遥かに上位の強さを誇るラキシスは、神ではなく「人を含む世界で生まれた全てのものの意思」と明言していることだろう。
 なお、このラキシス7444には、「五つの星の物語」エピソード(1990年~1991年)にて語られたタイカ宇宙のキャラクターが久々に登場した。


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当ブログ作者プロフィール

*1:ZAPとは、かつてレッド・ミラージュと呼ばれた、最強のスーパーロボットツァラトゥストラ・アプターブリンガー・パンツァーカンプフロボーター」である。

運命のラキシス7444とデザインズについて

 ここ最近の話だと、月刊ニュータイプ連載中のファイブスター物語エピソード「運命のラキシス7444」が始まってから、これウルトラマンじゃないかと思うことが、たまにある。
https://pbs.twimg.com/media/EZqFr05VcAEjXt1.jpg
 戦闘ロボットになったツバンツヒの顔だったり、7月号の表紙の左側にいる女性(ゴリリダルリハ)の配色など。ラキシスを襲った連中のなかにはウルトラ怪獣のようなシルエットが見られたか?
 永野護ニュータイプのQ&A企画で、子供の頃「ウルトラマンに変身したかった」って答えていたから、あながち外れていないのかもしれない(ニュータイプ2014年9月号)。

 ということで、上記ブログの続き。以下、ファイブスター物語の最新エピソードについて書くので、ニュータイプ最新号のネタバレありということで、よろしくです。

永野護ファイブスター物語 これまでの流れ

デザインズ

 ファイブスター物語のロボットをGTMに変更した理由について永野護は、モーターヘッドが古くなったから、としか言わなかった。
 2013年の連載再開と同時に、多くの設定が変更された。それらは作品集デザインズ4として2014年にまとまったかたちで発表された。モーターヘッドからGTMへの変更、人造人間ファティマの体型のスリム化、主武装である剣をガット・ブロウに統一など、他にも色々ある。それらは全て映画『花の詩女』の設定に準じたものとなっていたが、正確に言えば、それは逆だ。それらの「ファイブスター物語の」変更点は2012年に公開された『花の詩女』制作と並行して、読者を驚かせるために秘密裏に進行していた。この映画を見た読者は、ファイブスター物語のロボットがどんな動きで、どんな轟音を立てているのかを知ることとなった。
 漫画の絵から音が聞こえてくる。永野護は、この体験を読者を与えるために『花の詩女』を作ったのかもしれなかった。
 設定変更は、連載再開のニュータイプ発売時に変更は無事に完了した。その後、デザインズ5、デザインズ6と、新たな設定が公開された。
 ところが、実際には、さらなる修正が行われ続けている。それらは、ニュータイプの連載1ページ目、いわゆる「扉」または表紙と呼ばれるページにて発表される。連載中の台詞や脚注に書かれることも多い(さりげなく書かれているが重要なものだ)。これまでには、そういった発表は、追加設定であることが多かった。しかし、連載中のショウメ争奪戦にて、これまでのデザインズの記述とは明らかに異なる変更が発表されたのは、驚きだった。もしかしてショウメ争奪戦よりも前からそういうことはあったのかもしれないけど、忘れた。
 連載再開にあたり入念に仕込みに仕込んで作られた多くの新設定の一部は嘘だった。嘘とは言い過ぎだが、要するに、作者の永野護のなかで、まだ定まっていない、あやふやな点があり、連載を描きながら、やはりこれで行こうと決めていく。そういうことなんだろうと思っている。
 ニュータイプ2020年6月号と7月号では、COVID-19(いわゆる新型コロナウィルス)拡散防止の緊急事態宣言を受けて、どうしても「3密」になるアシスタントとの共同作業が困難であると判断し、やむなく連載を中断。永野護個人で作成可能な企画として急遽「デザインズ」に差し替え、未発表の新設定が公開された。これは刊行予定のデザインズ7からの先行公開でもあったはずだが、とにかく、驚きの大発表ばかりであった。

 懐園剣を作ったのは天照帝だった!
 星団暦2020年に何があったのか?
 レディ・スペクターの正体が!
 タイカ宇宙の独裁者とは?

 色々あるけど書ききれない。その多くは、連載中のラキシス7444の補足であったり、スタント遊星攻防戦についてのメモ、そして7777年以降に誕生する者たちについての予告など、広範に及ぶものとなった。これまでのデザインズシリーズでの設定を覆す、今回のニュータイプ掲載「デザインズ」にて公開された新設定については、いちいち書き記すのは面倒なので、デザインズ7を気長に待ちましょう。なお、繰り返しますが、以下には「デザインズ」のネタバレを含みますので、よろしくです。

キャラクター

  • ショウメ
    • 無敵の存在であるセントリー五種のうちの一種、ブリッツの幼生。他のセントリー幼生と違い、人間の少女の姿をしている。彼女を巡ってラキシスらはとんでもない戦いに巻き込まれるのだが、現時点ではミクロ化してラキシスの中に隠れている。
  • マドラ
    • ミラージュ騎士団レフト、スパークの正体。元々は超帝國剣聖プロミネンスと呼ばれていた女性。過去には大量殺戮者として、最近ではデコースをレイプしたりと色々と狂ったところばかりが目立つが、ついにミラージュ騎士マドラとして登場。ショウメ争奪戦ではラキシスの下僕として行動を共に。異界の敵との戦闘中に剣聖マドラとして覚醒。その場で天照帝が作った懐園剣を使って戦うが、あえなく戦死。少年マキシに剣聖の銘を授けるなど今後の活躍が予告されているので、無事に生き返るはず(同行していたツバンツヒとマウザーも同様)。
  • オージェ
    • マドラと同様、超帝國剣聖のひとりであった女性。レンダウドの名でベラ攻防戦から登場し、行き場を失っていたところを天照帝に拾われてミラージュ騎士団メンバーとなる。超帝國剣聖とは、星団暦より以前の超帝國の時代に君臨していた炎の女皇帝ナインの親衛騎士として化け物のような破壊力を持つ戦闘人種。であったのだが、どういうわけか星団暦の現在に出現している。超帝國時代の「素手でGTMを破壊する」戦闘能力は既に無いはずなのだが、何かのきっかけで覚醒するらしい。天照帝の勅命によりショウメ争奪戦に参戦。マドラをかつての名、プロミネンスと呼ぶ。ラキシスのサポート下でGTMマグナパレスを駆りバスターランチャーを3連射する。その後、動けなくなったマグナパレスのコクピットで眠りに落ちたが、マグナパレス自身はラキシスの呼びかけに応じて戦闘に参加し続けた。
  • ツバンツヒ
    • GTMガーランド、ストーイ・ワーナーの別名。騎士でもある。システム・カリギュラのメンバーとしてショウメの謎を調査していた。しかし、カリギュラと敵対するはずの天照帝に恋心を抱いて接近したのが運の尽き。ミラージュ騎士となり、天照家の次期主力戦闘兵器、GTMやバスターランチャーなどの開発にも参加(天照帝の助手として)。自作のGTMマーク2を褒められて天照帝からキスされ、廃人となったらしい。彼女もラキシスの下僕として行動を共にするが… 戦闘ロボット形態に変身も可能。
  • マウザー
    • クラック(ぶっ壊れ)と呼ばれる変人。GTMガーランドで騎士でもある。その場のノリで生きてる。システム・カリギュラのメンバーで、裏切者のツバンツヒを処刑すべく近づくが、その場のノリでラキシスの下僕となることを宣言。連載時点ではまだミラージュ騎士団メンバーではない。
  • スペクター
    • ミラージュ騎士だが役立たずの道化師。天照帝だけが彼の正体を知っている。ショウメ争奪戦においてラキシスを保護する。
  • カイエン
    • 剣聖。魔導大戦初期に戦死したが、いまだに最強騎士と語られる。無類の女好き。
  • マキシ
    • カイエンの息子。めちゃくちゃ強い。剣聖。バランシェファティマでもある。
  • バランシェ
    • AF(ファティマ)ガーランド。天才。第一作のクーンは騎士級の戦闘能力を備える星団法違反のファティマ。天照帝と出会い、研究対象として、そして友人として付き合う。制作した45体のファティマは例外なく高性能で異端。弟子のミースはバランシェの名を継ぎ、バランシェ亡き後、46番目のファティマ、マキシを産む。
  • 天照帝
    • 近衛騎士団であるミラージュ騎士団を創設しGTM設計開発も行う。何も考えていないらしいが、妻であるラキシスの救出に行かないのには、それなりに理由があるらしい。神様。
  • マグナパレス
    • 天照帝と永久の時を一緒に過ごしたいというラキシスの願いのままに、天照帝が建造した黄金のロボット。通常のGTMとはかなり異なる。自己意志が強く、勝手に動き回ったり、しゃべったりもするらしいが、これまでに登場したのは数回しかない。
  • 懐園剣
    • ラキシスの危機を救うために赤子の天照帝(星団暦2020年)が作った神剣。時空を超えて出現する、意志を持つ剣。この世のものではないものを斬るために誕生したので、通常の、3次元世界での戦闘時では他のガット・ブロウと変わらない。
  • ラキシス
    • ぼくの推し。バランシェファティマ44として誕生したが彼女の願いにより再構成され、ファティマを超える意志体となる。普段は色々とやらかす少女でしかないのが面白い。ファイブスター物語最強騎士、のはずだが今は寝てる。ドラえもんのポケットのように、身に着けた宝石から色々と「すごい奴ら」出てくる。

運命のラキシス7444

 ラキシスは茶色のショートカットで身長が低い少女だが、時として彼女は藍色ロングヘアの女として読者の前に現れる。身長も高くなっている。これが未来のラキシスの姿であることが連載初期から予告されている。AFガーランドのモラードは、この「変身」したラキシスを目撃している。
 ニュータイプ2020年6月号掲載の「デザインズ」によると、連載に登場している現時点でのラキシスとは別に、高次元の弥勒菩薩ラキシスが姿こそ見えないが存在しているのだという。これはぼくの想像だけど、これまでに何度か行われた「変身」は、高次元のラキシスの力によるものと考えられる。
 過去に、浮遊城での内乱にてミラージュ騎士団レフトの天位騎士シャフトとの戦闘で勝ったことがあるラキシスは「変身」などしていなかったので、元々ラキシスは天位騎士を超える戦闘能力を備えていることが読者には知られていた。もちろん、一般的には知られていない。ファティマが騎士級の強さを備えることは技術的に不可能とされ、それは星団法違反だからだ。天才ガーランド、バランシェだからそれが可能だった。バランシェ第一作のクーンや、ラキシスのすぐ上の姉にあたるアトロポスが騎士と同等の力を備えていることが確認されている。そしてラキシスは、バランシェの手によってファティマを超える存在として作り直された経緯があった。
 ファイブスター物語第6話Act4ショウメ争奪戦のインサートエピソード、ラキシス7444がニュータイプにて連載中。元々はショウメを狙って現れた異世界からの敵と戦うラキシスとその一味、といった話だったのだが、どさくさに紛れてラキシスを狙う者たちも出現。これがもう、とんでもない話で、登場するキャラクターが全て神レベルの強さ。我々にとって神または悪魔としか呼べない存在ばかりが勢揃い。次々と出てくる奴らは、殺しても死なないような者ばかりなので、必殺技も、惑星を破壊、消滅させるレベルの破壊力だったりする。
 単行本13巻と14巻に収録されたエピソード、ベラ攻防戦では、ファイブスター物語での主な兵器であるGTMによる戦闘を丁寧に描いていた。GTMというロボットを運用する軍隊、騎士団においての整備の重要さであったり、GTMの定数と実際の稼働率など、軍隊としての実態などを細かく描いていくエピソードだった。ところが、連載中のラキシス7444では、一転して、3次元の常識が通用しない連中との戦いとなった。「あまりの馬鹿馬鹿しさにファイブスター物語を読むのをやめても良し」とはデザインズ5にて永野護が書いた文章で、超帝國剣聖の強さについて説明したものだったが、デザインズ5を読んだ時点では、それが何を意味するのか正確には分からなかった。超帝國剣聖が「素手でGTMを破壊する」という文章もあり、とんでもない強さだということは伝わってきたが、果たして、それでファイブスター物語を読むのをやめてしまうということになるのだろうか?
 だけど、ラキシス7444での戦闘を見るにつけ、これまでのGTMでの国家間の戦など比較にならない、神レベルでのゲームを見せられて、なるほど、お話にならないなと感じてしまった。常識はずれの強さなので、強さが分からないレベル。ここに何百騎のGTMが出てきたところで、一瞬で消されてしまうだろう。ベラ攻防戦で見られたような、これまでのGTM戦闘は何だったのかと、呆れてしまう。そう感じてしまっても仕方ない。
 だからといってぼくがファイブスター物語を読むのをやめてしまうということはない。ここまで書いてきたこと、その全てが、面白いからだ。
 連載中のラキシス7444での出来事。ラキシスについてだけ振り返ってみる。
 ショウメ争奪戦にて異界の敵に殺されかけたラキシスは、藍色の髪のラキシスに「変身」した。そこからが無敵だった。超帝國剣聖を上回るスキルで立ち向かい、懐園剣を自在に操り、異形の者たちを次々と倒し、次元回廊で消し去った。これまでに登場した、ありとあらゆる騎士のなかで最も強いことは明白となった。これが、ラキシスの本当の力なのだと、ぼくは震えてしまった。
 しかし、ちょっとした油断でラキシスはピンチに陥った。その直後に出現したスペクターによって助け出され、保護された。以降は、ラキシスのファティマスーツの宝石から強力な下僕たちが出現、召喚され、バトルは続いている。
 なお、ニュータイプ2020年7月号掲載の「デザインズ」にて、懐園剣(雄剣)の本来の所有者がラキシスであることが公表された。

当ブログ作者プロフィール

ファイブスター物語第6話ってどこまで進んだんだっけ?

 現在進行中のファイブスター物語第6話は、星団暦3030年から3075年までの話だと告知されている*1。これが魔導大戦の始まりから終わりだということが、年表*2にも書かれている。
 魔導大戦。この言葉をきくだけでどきどきわくわくするぼくだけど、その最中にロボットがGTMに変更されたりもした。

 このことについては以前ブログに書いたので、興味のあるかたは上記リンクをよろしくです。
 この第6話にてヨーンとデコースの因縁の対決があることは、これまで何度となく永野護が色んなところで発言してきたけれど、年表には載っていない。これを楽しみにしているのはぼくだけではないはずだけど、2020年現在、月刊ニュータイプでは「ショウメ争奪戦」のインサートエピソード「運命のラキシス7444」が連載されていて、とんでもない戦いが繰り広げられております。

 で、第6話ってどこまで進んだんだっけ?

参考文献

 どうやら第6話は、ニュータイプ2001年5月号の連載から開始された。映画作りのために連載を休止した約8年間を引いても、だいたい10年ほど続いていることになる。そして、まだ終わらない。続きがある。連載中のエピソードの次に詩女マグダルのエピソードを開始することが既にアナウンスされていて、マグダルが復活しないと魔導大戦は終わらないので、重要な話となるはず。

キャラクター

  • ヨーン
    • とあるファティマと出会い、数々の剣技を伝授され、既にその腕前は天位騎士以上だと言われている。しかし、騎士の生き方を憎悪しており、剣を持たない。デコースにファティマを取られてからは、彼を倒すと意気込んでいたがアイシャに拾われて、彼女の使い走りをさせられる日々。少年漫画の主人公そのままの、熱くて、未熟な男。
  • アイシャ
    • ミラージュ騎士団ナンバー2。全ての女性騎士の憧れ。ヨーンに対して個人的に思うところがあって雇うが、その後なぜ引退を決めるのかは現時点では分からない。
  • エス
    • ファイブスター物語を象徴するファティマのひとり。黒騎士と呼ばれるGTMダッカスと相性の良い騎士を探す放浪の旅の途中でヨーンと出会うが、彼女はデコースを選んだ。
  • デコース
    • 狂騎士として知られた存在ではあったがエストと出会い、三代目黒騎士となる。ボスヤスフォートと組んでからは、騎士団を統率することを楽しんでいるように見える。第1巻登場時は男色家の変態としか見えなかったが、最近ではマドラにレイプされた。
  • ボスヤスフォート
    • バッハトマ魔法帝国主宰。超帝國15代目総帝を自称する。枢軸国家を主導しハスハを陥落させ混乱をもたらす。名門とされる国家騎士団のアンチテーゼとして「日陰者」に可能性を与えるが、基本的に悪役。ファイブスター物語に絶対的な悪は存在しないと言うが…
  • ダイ・グ
    • フィルモア帝国皇帝。若いが真なる皇帝との評価は高い。ラキシスと再会し不治の病であることをカミングアウト。第6話ラストにて天照帝と会うことが予告されているが、その時点で彼はどのような状態となっているのだろうか?
  • 炎の女皇帝ナイン
    • GTMという究極の戦闘兵器を生み出した。詩女という記憶継承システムの起点となる女性。騎士でもある。太古に栄えた超帝國の代表(人のかたちをした統制システム)だが星団暦の現在でも姿を現す。推定10000歳。人工生命体だが「人間の代表」として第6話ラストに天照帝と会う。
  • 詩女ナカカラ
    • キーパーソンであるらしい。星団暦2020年の事件を目撃していた。可愛らしい少女のままで時空を飛び越え出現する。
  • 詩女マグダル
    • 剣聖カイエンの娘。ボスヤスフォートとの戦いに敗れ、色々あってスリープ状態。第6話後半の重要人物となるはず。双子のデプレはマグダル覚醒の後に剣聖となる。
  • 詩女フンフト
    • 色気を武器に星団を翻弄する。実はとんでもない秘密があるらしい。

タイムライン

 ということで、今回のブログは自分用メモ。以下、第6話に関する記述をおさらい。なお、以下はぼくがメモした順なので、すなわち順不同であり、同年であっても以下の記述の順番通りとは限らないことに注意。

デザインズ4

  • ※以下は連載と単行本での記述を含む
  • 詩女ナカカラはボスヤスフォートの正体を知っている(詩女は記憶の継承が行われるので以降の詩女は全員そのことを知っているが沈黙したまま)
  • 3030年
    • アイシャ ルーマー王国女王となる(事実上の降格人事)
  • 3031年
    • ベラ攻防戦(単行本13巻14巻)
  • 3035年
    • アイシャに雇われたヨーンは天照家の下働きをこなすが(宿敵デコースの動向を知る仕事ではある)まだミラージュ騎士団メンバーではない
    • 南部戦線 バッハトマ黒騎士vsマーク3(単行本15巻)
    • マキシ 生まれる
  • 3037年
    • ショウメ争奪戦(連載中)
    • ※連載はここまでなので以下は今後描かれる予定
  • 3060年
    • 魔導大戦中盤〆エピソード「カーマントーの灯火」フィルモア帝国の陰謀/ミースとハイトと三条/ヨーンの怪しげな雲行き(ニュータイプ2020年5月号)
    • マグダル&デプレ目覚める
    • ベルベット0歳(産むのはマドラらしいが通常の人間の出産と異なるのか現時点では不明)
  • 3068年
  • 3069年
  • 3075年
    • ナインが天照帝に問いかける(廃都アマダ・ジーにて)
  • 魔導大戦ラストにボスヤスフォートvsマグダルの壮絶なグレイン戦あり
  • ファティマ「ザ・ブライド」が第6話ラストに登場(アシリア・セパレート/搭乗GTM未発表/物語のクライマックスの始まり)

F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 単行本

デザインズ5

  • ボスヤスフォートは超帝國の末裔ヒフツェン(15代目総帝)を名乗っているが…
  • エンペラーズ・ハイランダー総指揮官としての初陣(詩女マグダル救出)は第6話のエンディング

F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict

F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2016/02/22
  • メディア: 単行本

デザインズ6

  • 「ヨーンとデコースの対決はどうなっていくのであろうか?」「第6話の山場のひとつである」

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2019/02/09
  • メディア: 大型本

Link 最新単行本

ファイブスター物語 (13) (100%コミックス)

ファイブスター物語 (13) (100%コミックス)

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2015/08/08
  • メディア: コミック
ファイブスター物語 14 (ニュータイプ100%コミックス)

ファイブスター物語 14 (ニュータイプ100%コミックス)

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2018/02/10
  • メディア: コミック
ファイブスター物語 15 (ニュータイプ100%コミックス)

ファイブスター物語 15 (ニュータイプ100%コミックス)

  • 作者:永野 護
  • 発売日: 2019/12/09
  • メディア: コミック

当ブログ作者プロフィール

*1:角川書店「FSSアウトライン」28ページ http://eal.hatenablog.com/entry/2001/12/21/100000/fss-jp-OUTLINE

*2:ファイブスター物語単行本巻末に掲載されているジョーカー太陽星団年表