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萌えぎのエレン(同人誌サークル「秘密結社まづいたれ」主宰)のメインブログです

デザインズ6備考録(ミラージュ騎士団)

 永野護の漫画、ファイブスター物語。2013年に連載を再開して、登場するロボットをモーターヘッドからゴティックメードに変更したのだが、以降の連載は、これまでと比べて一直線に突き進んでいる印象だ。
 以下、当ブログエントリーにて使用する略語または用語について。

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER

F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER


 デザインズの6番目『デザインズ6 クロス・ジャマー』は、現時点で最新の、ファイブスター物語の作品集だ(永野護はそれらの刊行物を設定資料集とは呼ばない)。ファンにとってはファイブスター物語の副読本でもある。単行本13巻と14巻に収録されているベラ攻防戦の解説が多く掲載されており、当エピソードの裏話が書かれている。ベラ攻防戦にて敵対するバッハトマ枢軸連合の真打ちとして登場したナオの秘密。そして彼のファティマ令令謝の本当の姿など。その内容を全て書いてしまうのは難しいので、ここでは、個人的なトピックについてのみ記しておく。先に断っておくが、ぼくはミラージュ騎士団のことしか語れない。これは個人的な好みの問題なので、仕方ないと了承して頂きたい。
 まず、ぼくは安堵した。ミラージュ騎士団のメンバー、ヴィクトリーのことだ。月刊ニュータイプ連載時に掲載された全ミラージュ騎士の名称。正確にはZAPコードレター(誰がどのZAPに搭乗するかの一覧表)と呼ばれる。連載時、そこにヴィクトリーの名前が無かったので、もしかしたら2013年の設定変更によって居ないことになってしまったのかと思った。しかし、デザインズ6に掲載された一覧表には追記がなされた。ヴィクトリーの名前があった。良かった。安心した。
 デザインズ6に掲載されたZAPコードレターには、ヴィクトリーはGTM搭乗不可能なのだと書いてある。GTMに乗らない、乗れないのにミラージュ騎士なのか。ぼくのファイブスター物語についての知識を超えた、驚きだった。ヴィクトリーは宇宙人だ。アマテラスが宇宙船ウィルに乗って星団を離れた後(星団暦4100年以降)にミラージュ騎士となったメンバーなので、現時点(星団暦3037年)で漫画本編での活躍は無い。これまでに公開されたデザイン画を見ると、ジョーカー人(この漫画に登場する一般的な人種)とは異なり、巨体でもある。成程、GTMのコックピットには収まらない体型なのかもしれない。
 一応書いておくが、ヴィクトリーに関する今回の発表は、2013年の連載再開における大幅な設定変更の一つでもある。ロボットをモーターヘッドからGTMに入れ替えた。それが大事件だった。しかし、その設定変更の全貌が未だに明らかになっていないのは、連載を読んでいる読者であれば気付いている。
F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物

 膨大な変更点を記したデザインズ4が刊行されたのが、連載再開後の2014年。ところが、連載を読んでいると、デザインズ4の記述とは微妙に異なる点も見受けられる。作者の永野護でさえも分からないのかは定かではないが、とにかく、デザインズなどの作品集(これまで刊行されたもの全て)での記述がどうであれ、連載によって明らかとなる変更点が少なくないように感じる。
 ファイブスター物語は、アマテラスとラキシスの物語。そして、アトロポスラキシスクローソー、この3名のファティマ「運命の三女神」の物語。その最低限の決め事がまずあって、大まかなタイムラインを記す、ファイブスター物語の(これから描かれるエピソードを含む)数千年を網羅する年表が存在する。そして、この年表は、その骨子だけを変えずに、これまでに何度もアップデートしている。超帝國とドラゴンについての記述が書き加えられた時には驚いたものだ。そして、GTMを含む設定変更後に公開された年表では、全面的な修正が行われた。大まかな流れはそのままに、全て「GTMありき」で書き直されたと言っていいだろう。
 デザインズ6で明らかになった新設定で個人的に良かったのは、モーターヘッドレッドミラージュ2」の設定が消えていなかったことだ。これも嬉しかった。かつて、永野が設定のみ公開していた(名前だけでデザイン画は無い)。年表の最後の年、7777年に建造された。それは、モーターヘッドの最終形態として想定されたものだった。この、モーターヘッドの最終形態とは、どのような形なのか。設定画が描かれていないので一切が不明なのだが、その前の時点(年代)で宇宙戦闘機としての機能に特化したモーターヘッドの登場が予告されていたので、この最終形態とは、ぼくらが知るロボットでは無いのかもしれない。
 モーターヘッドレッドミラージュ2」の設定を引き継ぐ、Φ型GTMと呼ばれるロボットの存在がデザインズ6にて初公開された。しかし、そこには「一切不明」との説明文のみ。ファイブスター物語の先行公開には、このような不明点が山程ある。ファンにとっては、そこに想像する楽しみがある。ぼくもそうだ。
 ミラージュ騎士団については未だに謎の部分が多い。過去に全メンバーの名前が公開されていたのだが、クラックと呼ばれるメンバーが『花の詩女』で初登場したマウザー教授であることは、このデザインズ6にて初めて公表された。しかし、まだ明かされていない設定が存在しているだろうことを、ぼくは考える。なぜなら、2013年の設定変更後、ミラージュ騎士団の詳細に渡る全体的な公開が、なされていないからだ。当初の予定、デザインズ4のあとがきに書かれてあったのだが、次期デザインズにてミラージュ騎士団の全貌が記されるはずだった。しかし、デザインズ5そしてデザインズ6には、その記述が無い。月刊ニュータイプに掲載されたミラージュ騎士団の正装やミラージュ騎士のメンバーカラーなどが、未だにまとまった形で特集されていない。これは待つしかないのだが、この作者はとにかく忙しいので、いつでもいいから出してもらえればありがたいと思っておくのが賢明だろう。是非とも早く見たいというのが、ぼくの本音ではある。

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