NAGANO! アウトテイク
お知らせ(9月11日)
11月24日(月祝)、第十九回文学フリマに、はなごよみが参加します。新刊『NAGANO!』を含む、ぼくの個人誌も頒布します。9月14日に行われる第二回文学フリマ大阪では、ぼくの本の頒布はありません(「正かなづかひ 理論と實踐」を第二回文学フリマ大阪にて委託頒布します - 歴史的仮名遣は生きてゐる - 「はなごよみ」公式ブログ)。
なお、はなごよみのサイトでは、ぼくの本の通販も行っています。
『正かなづかひ 理論と實踐』ほか「はなごよみ」「書肆言葉言葉言葉」刊行物のご註文
NAGANO! アウトテイク
このエントリーは、8月15日の夏コミC86にて頒布した個人誌『NAGANO!』(夏コミC86に参加しました - もえぎのhtnb)に掲載しなかったアウトテイクです。実際にはメモですね。これらを読んで頂ければ、ぼくがFSSファン以外に向けて書こうと考えていたことが分かってもらえるだろうと思う。
1
これまでぼくが個人誌執筆のための参考資料としていた『おたくの起源』(吉本たいまつ、エヌティティ出版、2009年)には、1985年以降の記述がない。また、井上伸一郎によれば、それまで優れていた、華やかだったアニメブームが、あまりにも作られるアニメの数が多くなったこともあって、1984年あたりから収束していくのかもしれないと危惧していた。そのような見解もあったかもしれない。
2
面白いアニメって何だってことを、ずっと考えていた。出来が悪いけど面白いってこともある。ぼくは残念ながら、過去の面白いアニメを体験として知らない。ぼくがアニメを好きになってから、本当に面白いアニメはあっただろうか。例えば、メガゾーン23。
3
ぼくは本を読まない。だから角川書店の本、例えば文庫などを読んだことはない。ぼくにとっての角川のイメージとは、メディアミックスという面白おかしいことをやっている会社であり、フジテレビと似たようなものだったのかもしれない。だから、ぼくが角川がやることに何の知識もないのに興味を持ったのは、本当に単なる興味本位だった。
4
今となっては、例えばヱヴァンゲリヲン新劇場版のように逆襲のシャアを永野デザインで作り直すということは、絶対にない。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版にみられる現在の東京の都市ビルの模倣は、ファイブスター物語にはない。
TMネットワークの小室哲哉と永野護は、ぼくにとっての二大ヒーローであり、アイドルだったのかもしれない。
ぼくは漫画を読まない。
生涯ミーハー宣言をしてきたと思う自分。
シンセサイザーの音を口で真似するような中学生。ザブングルの着地音とかも真似してた。
5
ぼくが死ぬまでに人型ロボットが完成するか分からないけれど、ホンダのアシモの動きや、どこかの研究チームが作る人間の表情をそっくり模倣するロボットを見ると、怖くて仕方なくなる。「こっち来るな」って思う。
6
ウェブのどこかで「梅津泰臣作品の世界のコンクリは発泡スチロールか何かで出来てんのか」という文章を読んだ。梅津泰臣の爆発エフェクト作画は確かに「軽い」かもしれないけどタランティーノはそこが気にいったのかな? 押井守はそこんとこ「重い」けど、これはスタンスの違いだと思う。梅津泰臣の描く人体に身体性がないとは思わないし、それで敢えて萌えっぽいデザインの女子高生がガンをぶっぱなすのが面白いと思う。押井守は納得できないんだろう。どっちが優れてるとかじゃない。ぼくはアニメファンとしてはかなり極端なんだろうな。梅津泰臣と永野護とエヴァにしか興味ない。そのへんの矛盾は一貫していて、アイドル嫌いな自分なのにハロプロが好きってのが正にそうだと思う。
7
映画はあくまで駄菓子の時間であって、食事を削ってまで、駄菓子につぎ込まれても困るし
宮崎駿『出発点 1979~1996』p.205
永野護は自身のロボットデザインについて「これは最強のデザインだからね」などと発言していて、今までそういう言葉を使ったアニメ関係者はいなかったというのが当時アニメック編集だった井上伸一郎の発言として残されている(トイズプレス『マモルマニア』1996年)。永野は、自分の仕事について、「とにかく俺のデザインはすごい」など、やたら強気な発言が目立つ。また、「今の○○はとにかく駄目」などと平気で言う。ぼくは永野のこのような発言が好きなのだが、もとをたどるとそれは宮崎駿だ。『出発点』424ページにあるアニメージュ1980年10月号のルパンについての文章に当時のぼくは感銘を受けたはずだったのだ。ホンダの軽自動車を性能がいいだけで愛想のないって言う、そういう感じが、ぼくは好きだ。それはもちろん、尊敬できるクリエイターの発言だから面白いのだし、許される。
8
誰もが彼のように生きることはむずかしいだろう。ぼくもそうだ。TMネットワークのアルバム『CAROL』の一曲目のイントロを聞いて、ファイブスター物語っぽいなあと感じた。ぼくは、その程度の人間である。永野のようにロックを聴いているわけではないし、彼のように生きることも、できない。それでもぼくは、永野のファンのつもりでいる。
info
NAGANO!(はなごよみブックス3)
http://osito.jp/dojin/pubs/c86a.html
新刊告知
http://moegino.hatenablog.com/entry/NAGANO
新刊詳細(参考文献一覧など)
http://eal.hatenadiary.jp/entry/NAGANO
内容見本PDF
http://osito.jp/dojin/c86a01_preview.pdf
萌えぎのエレン@moegino